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ダイゼン(Pluvialis squatarola)の分類 チドリ科(Charadriidae)
ダイゼン(Pluvialis squatarola)の概要 ムナグロ属(Pluvialis)

ダイゼン(Pluvialis squatarola)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Pluvialis squatarola (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:26~35 mm
・翼長:175~213 mm
・跗蹠:43.5~51 mm
・尾長:71.5~83 mm
・体重:187~303 g
・卵:長径 45.7~55.2 mm×短径 34~38 mm 平均長径 51.6 mm×短径 35.9 mm

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ダイゼン, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 755-757.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

分布

全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の環極地方に繁殖分布し、冬は赤道周辺に広がってすごす。

日本では旅鳥として8~10月と3~5月に現れ、春の渡り期のほうが多い。本州中部以南には越冬するものがある。

参考文献

  • 中村登流 1995 ダイゼン, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 102.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

チドリ目 チドリ科

参考文献

  • 吉井正 2005 ダイゼン, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 102.

最終更新日:2020-11-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄 夏羽】
額は白色、頭上、後頭は黒色で、各羽には汚白色の縁がある。

眼先、耳羽、腮、喉、胸は黒色で、白色の小斑が散在している。

眼の上には白色の眉斑があり、頭側を経て喉および胸の両側まで白色の斑をなして引き続いている。

背、腰は黒色で、各羽の先端と縁には白色の斑があり、基部は白色を帯びている。

肩羽は暗褐色で、先端と縁には黒色と白色の不明瞭な斑がある。上腹は黒色、下腹、下尾筒は白色である。

上尾筒は白色で、黒色の横縞がある。下雨覆は白色で、その最長の部分は灰褐色で、腋羽は黒褐色である。

初列風切は黒褐色で、羽軸の先端近くは白色である。

内弁の基部には白色の細長い縦斑があり、内側のものでは外弁の基部近くにも白色の斑がある。

次列風切は暗褐色で、羽端には白色の細い縁があり、内側のものでは内外弁の基部は白色である。

三列風切は暗褐色で、羽端と外弁の縁および内弁の先端近くには黒色と白色の斑がある。

大、中、小雨覆は黒色で先端と縁には白色の斑があり、初列雨覆、小翼羽は黒褐色で、先端には白色の細い縁がある。

尾は白色で、中央の尾羽では基部以外に黒色の横縞が多数あり、ほかの尾羽では先端と外弁に黒色の横縞がある。

ときには最外側の1対は横縞がなくて、純白色のものもある。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は石盤黒色。

【雌 夏羽】
雄の夏羽に類似しているが、体の下面には白色の斑が多い。

【雌雄冬羽】
体の上面は黒褐色で、各羽の縁と先端には灰白色の丸い斑紋がある。

体の下面は白色で、喉、耳羽、上胸、胸側には褐色の斑がある。脚色の暗灰色または石盤灰色。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ダイゼン, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 755-757.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に幼綿羽が生え、雛の頭上、後頭及び体の上面、体側、眼の後方などは暗黄色で暗黒色の斑点が不規則に散在し、背には黄白色の小斑があり、額と頭側とは暗黄色である。

眼の上にある眉斑及び嘴の基部から頬に走る線は暗黄色で暗黒色の斑点が散在する。

眼の下、腮、喉及び後頸は白色で、それ以下の体の下面は白色である。翼の先端は白色である。

【幼鳥】
成鳥の冬羽に類似しているが、体の上面の縁および斑は黄白色である。

体の下面には褐色の斑が多い。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ダイゼン, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 755-757.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

卵の形質

卵はオリーヴ灰色またはクリーム色の地に黒色の斑紋と斑点とが密生し、灰色の斑点も多少あるが、斑紋は鈍端に密生するのが常である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ダイゼン, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 755-757.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

生態

生息環境

渡り期には、干潟、河口の三角州、砂浜などの砂泥地で見られる。

海岸地方に多く、ムナグロのように内陸にはあまり入らない。

繁殖地では、ツンドラの中の乾いた岩石スロープや小高いところで、砂礫や地衣類が多く、草が散在するような場所に営巣する。

参考文献

  • 中村登流 1995 ダイゼン, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 102.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

食性

地上を走り、急に止まってあらぬ方向に急襲するように採食する。

鞘翅類、双翅類、半翅類などの昆虫、甲殻類、貝類、ミミズ、ゴカイなどの動物質、草の種子などの植物質を食べる

参考文献

  • 中村登流 1995 ダイゼン, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 102.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

鳴き声

ピゥーイ、ピゥーイまたはピョウ、ピョウ、ピョウ、ピリ、ピリ、ピリと清亮な笛様の声で啼き、飛び立ち際や飛翔中にも啼く。

潮が満ちて来ると互いに啼きあって一斉に飛び立つのが常である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ダイゼン, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 755-757.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

特徴的な行動

繁殖期にはなわばり分散をする。なわばりは 0.25 ㎢ぐらいである。雄は雌の頭上でフライトディスプレイをする。

さえずりながら旋回し、地上に向けてのやや長いグライディングが特徴である。

非繁殖期には群れるが、群れはあまり大きくならない。採食のなわばりが知られる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ダイゼン, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 102.

最終更新日:2020-06-25 キノボリトカゲ

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