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- メダイチドリ(Charadrius mongolus)について

メダイチドリ(Charadrius mongolus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Charadrius mongolus Pallas, 1776
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:15.5~19 mm
・翼長:124~142 mm
・跗蹠:27~33 mm
・尾長:47~58 mm
・体重:45~92 g
・卵:長径 36~37 mm × 短径 26.5~27.5 mm
参考文献
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸中央部から東北部にかけて、タリム盆地、東バイカル地方、カムチャッカ半島、チェコト半島などに点々と不連続に繁殖分布し、冬は東アフリカからインド、東南アジア、ニューギニア島に渡ってすごす。
日本には旅鳥として、8~11月と4~5月に現れ、海岸地方では比較的よくみられる。
参考文献
- 中村登流 1995 メダイチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 学名の解説
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種小名・英名はモンゴル地方に由来。
参考文献
- 吉井正 2005 メダイチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 508-509.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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モウコメダイチドリ
参考文献
- 吉井正 2005 メダイチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 508-509.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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チドリ目 チドリ科
参考文献
- 吉井正 2005 メダイチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 508-509.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄夏羽】
額は白色で、頭上との境には黒色の帯があり、額の中央には縦に黒色の縁がある。
頭上・後頭・後頸・頭側は濃赤褐色で、頭上の中央は灰褐色である。
眼先から耳羽の上部までは黒色で、幅の広い過眼線をなしている。眼瞼は白色である。
頬・腮・喉は白色、下喉から上胸にわたって濃赤褐色の幅の広い帯があり、頸側を経て頭上まで引き続いている。
この胸帯と喉との境には黒色の細い帯がある。肩羽・背・腰・上尾筒は灰褐色、羽軸は暗褐色で、上尾筒の各羽には白色の縁がある。
腹・脇・下尾筒は白色で、脇には灰褐色の軸斑がある。
下雨覆は白色、翼の外縁に沿った部分には褐色の斑があり、初列雨覆は淡灰色で、各羽には白色の縁がある。
腋羽は白色で、褐色の斑がある。初列風切は暗褐色で、羽端は黒色を呈し、内側のものの外弁の基部には白色の縦線があり、内弁の基部は白色を帯びている。
第2羽の羽軸は白色、ほかは褐色で、その中央部は白色である。
次列風切は暗褐色で、内側のものの外弁の先端には白色の斑紋があり、内弁の基部は白色を帯びている。
三列風切は細長い形で、灰褐色を呈している。
大・中・小雨覆は灰褐色で、羽軸は暗褐色で、大雨覆の各羽端には白色の縁があり、羽換したときには中・小雨覆には淡色の不明瞭な縁がある。
初列雨覆・小翼羽は暗褐色である。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黄色を帯びたオリーブ灰褐色、趾は暗色。
【雌夏羽】
額は雄夏羽にある黒色帯を欠くものが多く、顔の黒色の過眼線はわずかで、胸帯は色が淡い。
【雌雄冬羽】
額は白色、眼の上には白色の眉斑があり、眼先から耳羽の上部まで褐色の過眼線がある。
体の上面は灰褐色、背はやや淡色、上尾筒の各羽には白色の縁がある。胸には淡褐色の帯があり、胸側は淡褐色である。
胸以下の体の下面は白色である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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成鳥の冬羽に類似しているが、体の上面の各羽には黄褐色を帯びた砂色の縁があり、胸帯と胸側とは赤錆色を帯びた黄褐色である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵は褐色を帯びたクリーム色、または粘土色の地に濃褐色、または黒褐色の斑紋と灰色の斑点とが散在する。
参考文献
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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海岸の砂浜、干潟、内陸の河川、湖沼、溜池などの砂泥地にくる。主として海浜近くに多い。
参考文献
- 中村登流 1995 メダイチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 食性
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おもとして動物質をとり、昆虫類の鞘翅目(例えばゾウビムシ、ゴミムシ)、毛翅目(例えばトビケラ)や環形動物毛足類の貧毛目(例えばミミズ)、甲殻類十脚目(例えばカニ)などを食物とする。
植物質ではスズメノヒエの種子を食物とする。
参考文献
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖地は、亜高山帯や高山帯の湖沼岸、地衣類や草本、灌木が生えるツンドラなどで、6~7月ごろ繁殖する。
繫殖のくわしいことはまだわかっていない。砂地に浅い窪みを掘り、植物片を敷いて巣をつくる。
1巣卵数は3個。雌雄で抱卵し、雛の世話もする。なわばり分散についてはわかっていないが、1 ㎢に2~4番がいるという(Lobkov, 1986)。
参考文献
- 中村登流 1995 メダイチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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ホイーヨ、ホイーヨ、ピイヨ、ピイヨ、ピュイ、ピュイ、またはピュル、ピュル、或いはピリ、ピリッと啼き、地上に降りているときや飛翔中にも啼く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 メダイチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 763-764.
最終更新日:2020-05-27 キノボリトカゲ