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クイナ(Rallus aquaticus)の分類 クイナ科(Rallidae)
クイナ(Rallus aquaticus)の概要 クイナ属(Rallus)

クイナ(Rallus aquaticus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Rallus aquaticus Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

嘴峰:雄 39~43 mm 雌 34~39 mm
翼長:雄 127~136 mm 雌 120~126 mm 
跗蹠:雄 38~43 mm 雌 36~39 mm
尾長:50~62 mm
体重:101~195 g

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

分布

旧北区。ユーラシア大陸の温帯・亜寒帯、アフリカ大陸北部の一部で繁殖し、亜寒帯のものはインド、中国南部、インドシナ半島に渡って越冬する。

日本では東北地方北部から北海道で繁殖するが、近年では栃木県(遠藤ほか, 1984)、愛知県(愛知県, 1983)、尾瀬(飯田, 1991)でも繁殖が記録されている。

北海道や本州北部では夏鳥とされ、本州以南では留鳥または冬鳥といわれるが、半夜行性で、しかも湿地の草むらに生息するため、まだ十分に生息分布はわかっていない。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 クイナ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 59.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

学名の解説

水辺にいるクイナ

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ツル目 クイナ科

参考文献

  • 叶内拓哉 2013 クイナ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. pp. 184-185.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

形態

成鳥の形質

雌雄同色。成鳥は額から尾羽までの上面が茶褐色で、黒い縦斑がある。顔から胸までは青灰色で、黒い過眼線がある。下腹部は白黒の横斑。

参考文献

  • 叶内拓哉 2013 クイナ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. pp. 184-185.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

幼鳥の形質

頭側は褐色、眼の上には褐色の眉斑がある。尾長は成鳥と同様である。体の下面は白色で、赤錆色を帯びている。前頸、前胸、脇は赤錆色を帯び、各羽には褐色の縁がある。嘴色、虹彩は褐色であり、脚色は赤錆色を帯びた灰色を呈する。

1年目の幼鳥では喉、胸は赤錆色を帯び、各羽にはクリーム白色の縁があり、胸の中央は汚クリーム色である。

孵化直後の雛は全身に黒色の長い幼綿羽が密生し、体の上面は藍緑色の金属光沢がある。虹彩は灰色、嘴と脚は赤味を帯びた白色である。

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

卵の形質

長径 32.2~38 mm×短径 25.1~27.5 mm 
平均:長径 33.7 mm×短径 25.9 mm 

卵はクリーム褐色または淡黄褐色の地に赤褐色の斑点と灰鼠色の斑点とが散在し、斑点は鈍端にやや輪の様に密在しているのが常である。

参考文献

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似ている種 (間違えやすい種)

ヒメクイナ、ヒクイナ

参考文献

  • 桐原政志 2009 クイナ, 桐原政志、山形則男、吉野俊幸(著) 日本の鳥550 水辺の鳥. 文一総合出版. p. 170.

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生態

生息環境

平地から低山の湖沼、河川、水田などの水辺の草むらや、ヨシやマコモが密生する湿地に生息する。秋・冬にはヨシ原や水辺の草むらに生息するが、ちょっとした物音や人影ですぐ草むらに潜行するので、なかなか姿を見ることができない。草むらから出てくるときも、辺りを見回しながらそろそろと出てくる。

首を前に伸ばし、身体を低くして歩き、尾羽をたえずピクピクとはね上げる。驚いて飛ぶときは、両脚をダラリと下げ、首を伸ばして低空を直線的に飛翔するが、その速度は遅い。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 クイナ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 59.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

食性

湿地を歩いたり泳いだりしながら、昆虫、クモ、カエル、エビ、小魚などをついばむほか、イネ、ノビエ、アカマツの種子なども食する。湿地の草に止まるトンボを捕らえるのに、水面から 1 mも跳び上がるという。植物質ではタデ科、イネ科、キク科などの草の種子を食べる。

水面を泳ぐときは、バンのように頭部を前後に振り動かしながら泳ぎ、まれに水中に潜ることもある。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 クイナ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 59.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

鳴き声

越冬中は「キュッ」と短い声を出す。繁殖期の夕方から朝方にかけて「キューイ」と1声で鳴いたり、「キュッキュッキュッ…」と続けて鳴いたりするほか、「キュイキュイキュイ…」とけたたましく鳴いてディスプレイする。ときおり巣で唸るような低い声で啼くことがある。

参考文献

  • 叶内拓哉 2013 クイナ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. pp. 184-185.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

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