- 解説一覧
- アネハヅル(Anthropoides virgo)について
ツル科(Gruidae)
アネハヅル属(Anthropoides)
アネハヅル(Anthropoides virgo)
低危険種 (LC or LR/lc) 【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Anthropoides virgo (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰：60～72 mm
・翼長：445～525 mm
・跗蹠：173～220 mm
・尾長：152～185 mm
・卵：長径 74.1～91.4 mm×短径 47～56.6 mm 平均長径 83.3 mm×短径 53.1 mm
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。北アフリカでも少数が繁殖するが、主にユーラシア大陸のウクライナ地方から中国東北部にかけて繁殖し、インドやアフリカに渡って越冬する。
ツル科のなかでは最小のツルである。
日本にはまれな冬鳥として北海道石狩・音別、本州では青森、岩手、宮城、茨城、静岡、広島の各県に、九州では熊本県、鹿児島県、徳之島などの渡来した例があるにすぎない。
希少種に指定されている。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アネハヅル, 中村雅彦、中村登流（著） 原色日本野鳥生態図鑑：水鳥編. 保育社. 206.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 学名の解説
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処女あるいは乙女の意。
参考文献
- 吉井正 2005 アネハヅル, 吉井正（監修） 三省堂編修所 （編） 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 33-34.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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ツル目 ツル科
参考文献
- 吉井正 2005 アネハヅル, 吉井正（監修） 三省堂編修所 （編） 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 33-34.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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最も小型のツル。雌雄同色。額は石盤黒色で灰色を混じ、ときには全く灰色または黒色のものもある。
頭上、後頭は淡灰鼠色、眼先は黒色で、眼の上にある黒色の幅 10 ㎜くらいの眉斑に引き続いている。
眼の後方には白色の總のように長い。後頸の上部（全体の3分の1、または2分の1）は黒色で、それ以下は青灰色である。
背、肩羽、腰、上尾筒は淡青灰色で、各羽縁は淡色で光沢がある。
胸、腹、腋、下尾筒は青灰色である。下雨覆、腋羽は青灰色である。
初列風切は多少青灰を帯びた黒色、次列風切は石盤灰色で、羽端は黒色を帯びている。
三列風切、雨覆羽は淡青灰色で、三列風切は細長い形で初列風切より 135～190 mmくらい長い。
初列雨覆、小雨覆は黒色。尾は石盤灰色で、先端は暗色である。嘴色はオリーヴ色で、先端はオレンジ赤色、虹彩は赤色、脚色は黒色。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
- 吉井正 2005 アネハヅル, 吉井正（監修） 三省堂編修所 （編） 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 33-34.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は全身に幼綿羽が密生し、頭上は黄味がかった淡赤錆色で、体の上面は灰褐色で、後頸と背の中央には褐色の縦線がある。
翼は灰褐色で褐色の線があり、体の下面は淡灰鼠色である。幼鳥の全身は暗色で、やや赤味を帯びている。
頭上、頸は灰色、眼の後方の羽は成鳥の様で白色でなくて灰色を呈し、羽の長さは短い。
上胸の羽は短いが先端は尖っている。三列風切は長くない。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵の色彩はクロヅルの卵と同様で、淡褐色、クリーム褐色、オリーヴ色、淡緑褐色などの地に暗褐色および赤褐色の斑紋や斑点と灰鼠色および淡赤褐色の斑点とが散在する。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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本邦には冬鳥または迷鳥として極めて稀に渡来し、本来は草原の鳥だが、湿地、水田などに生息する。
繁殖地では平原、丘陵、高原、沙漠、塩分の多い湖水などに生息する。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アネハヅル, 中村雅彦、中村登流（著） 原色日本野鳥生態図鑑：水鳥編. 保育社. 206.
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 食性
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動植物質を摂り、動物質では昆虫類の直翅目、鞘翅目、軟体動物の腹足類の有肺目（例えば蝸牛）、環形動物などを食物とし、植物質では穀類やそのほかの植物を餌とする。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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草地、湿地畔、河岸などに営巣する。巣は地上にあり、草地に草類を積み重ねて巣とするものと路地や岩石地に小石を敷いて巣とするものがある。
産卵期は5月中旬から7月（ダウリア）までか4月中旬から5月下旬（ヨーロッパの南東部）までである。
1巣卵数は2個が常で、ときには異例として3個のこともある。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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誇示するときにはカララー、カララー、クルルー、クルルーと啼き立てる。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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湿地に降りて両脚を交互にして静かに歩みつつ餌を漁っている。
ほかのツル類と同様な動作で誇示し、また舞踏をする様に飛び跳ね、このとき嘴に銜えた小枝や枯れ草を空に投げあげることもある。
飛翔時には翼を緩慢に羽搏いて飛翔し、長い頸を真直ぐに前方に延ばし脚を後方に長く引くが、頸や脚を体の水平面よりやや下方にするのが常である。
休むときには片脚で立ち、頭を後方に向け長い頸を折り曲げて嘴を背羽の間に入れて睡る。樹上にとまることはない。
参考文献
- 清棲幸保 1954 アネハヅル, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅲ. 講談社. 865-866.
最終更新日：2020-06-09 キノボリトカゲ
