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ミフウズラ(Turnix suscitator)の分類 ミフウズラ科(Turnicidae)
ミフウズラ(Turnix suscitator)の概要 ミフウズラ属(Turnix)

ミフウズラ(Turnix suscitator)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Turnix suscitator (Gmelin, 1789)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:11~14 mm
・翼長:雄 73~78 mm 雌 80~83 mm  
・跗蹠:雄 22~24 mm 雌 25 mm
・尾長:雄 26~30 mm 雌 30~32 mm
・卵:長径 22.1~27.2 mm×短径 18.3~21.2 mm 平均長径 25 mm×短径 20.1 mm

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最終更新日:2020-06-22 キノボリトカゲ

分布

東洋区、旧北区。バングラディッシュ、インドから中国、台湾、日本の南西諸島まで、他方、スマトラ島から小スンダ列島までに分布する。日本では、薩南諸島(馬毛島、種子島、奄美大島、徳之島)とほかの南西諸島の島々に留鳥として繁殖する。

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亜種・品種

タイワンミフウズラ

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分類学的位置付け

ツル目 ミフウズラ科

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形態

成鳥の形質

ウズラに似た羽色と体形をしているが小さい。頭は褐色で白色と黒色の小斑がある。

背・腰・上尾筒・尾は赤褐色と灰褐色で黒色の斑がある。肩羽は淡黄褐色で黒色の斑がある。

翼は黒褐色。胸・腹・下尾筒は黄褐色で、胸から脇に多数の黒色の斑もしくは横斑がある。

嘴と足は灰黒色で、後趾を欠く。雄の喉は淡褐色であるが、雌は喉が黒色で全体が雄より鮮やか。

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幼鳥の形質

孵化直後の雛は全身に幼綿羽が密生し、体の上面は暗栗色を帯びたクリーム色、体の下面はクリーム色で、頭上には黒褐色の縦線が走り、眼先から後頸迄白色の太い過眼線が走る。

背にはクリーム色と黒色との三日月形の斑があり、翼は暗色で淡色の帯があり、腿の内側は栗色である。

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卵の形質

卵は灰白色または黄味がかった灰白色の地、あるいは赤味を帯びた灰白色の地に黄褐色、赤褐色などの微細な小斑点と灰鼠色の微細な小斑点とが一面に密生し、暗赤褐色または黒褐色のやや粗大な斑点が鈍端の方に散在するのが常である。

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生態

生息環境

低地の比較的乾いた草原、灌木が散在する草原、灌木林、農耕地、飛行場周辺の草地などにすむ。

また、路傍や荒れ地の草地、タケ藪や常緑樹林の林緑、砂地の草原などでも見られる。

砂漠地帯では特にワタ畑に多い。

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食性

草むらの中の地上を歩きながら採食し、草の種子・若葉、昆虫などを食べる。

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ライフサイクル

繁殖期は長く4~9月、一妻多夫で繁殖するといわれているが、十分に調べられていない。

巣は草むら、藪、タケ藪の下などの隠された地上、あるいは草むらの車道や踏み跡などの開けた地上に窪みをつくり、草を敷く。巣づくりは、草を引っ張ったり、投げとばしたりして巣材集めを雌雄で行うが、雄の方が熱心である(Johnsgard, 1991)。

1巣卵数は4個、まれに3個や5個があり、雄のみが抱卵し、12~14日ぐらいで孵化する。

雛はクリーム色の幼綿羽に覆われ、早成性の離巣性である。雛は40日ぐらいで独立する。

雄が雛の世話をするが、飼育条件下では、雌も雛を抱いたり、採食を助ける。

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鳴き声

蕃殖期には雌はヴー、ヴ―、ヴ―と唸る様な声で啼く。

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特徴的な行動

雌のほうが喉が黒いなど、雄より鮮やかな羽毛をしており、さえずりをして雄をよび、また雌どうしで雄をめぐって戦うなど、雌雄の役割逆転がある。

多分、雌によるなわばりを分散していると考えられる。

雄が抱卵を開始すると、雌は次の雄を求めてさえずるという。

雄は単独で抱卵するので、雌は継続的に一妻多夫で繁殖活動を進め、雄は産卵期まで一夫一妻の形をとり、その後番の活動をしなくなるものと考えられる。

飼育下で2羽の雄をケージに入れると、相互羽づくろいに寄ってくる。

しかし1羽の雌を加えると、雌はどちらかの雄といっしょに塒につくので、翌日雄どうしに戦いが始まるという。

また飼育下で雌が宣伝のコーリングをすると、雄が引きつけられてくるが、他方では雌も引きつけられ、その結果、雌どうしの戦いが起こるともいう。

この観察からも、野外では一妻多夫の番の関係で繁殖するものと考えられるが、野外での詳しい調査はまだない。

野外での行動観察もなく、これも飼育下での観察によると、雌の求愛ディスプレイは、立ち止まって体を前後に3~4回ゆすって前進する。

これを無言で行うが、多分植物の葉のゆれ動きのような擬態行動であろう(Johnsgard, 1991)。

同じくケージ内での観察では、雌はさえずるとき、歩行を止めて凍ったように静止し、次に首を伸ばして、ゆっくりとくちばしが地面に接するばかりに頭を下げつつ急ピッチにコーリングする。

そして徐々に胸を低めつつ、うねるように発声しながら、両翼を開いてふるわせる(Johnsgard, 1991)。

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