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ハクトウワシ(Haliaeetus leucocephalus)の分類 タカ科(Accipitridae)
ハクトウワシ(Haliaeetus leucocephalus)の概要 オジロワシ属(Haliaeetus)

ハクトウワシ(Haliaeetus leucocephalus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Haliaeetus leucocephalus (Linnaeus, 1766)

基本情報

大きさ・重さ

全長:70~90 cm
翼開長:180~230 cm

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

分布

アリューシャン列島からアラスカ、カナダ、アメリカ中北部で繁殖し、冬はアメリカ南部で越冬する。日本には国後島に2001年7月に幼鳥が記録されたのみである。

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

生息状況

1960~70年代に大量に散布された農薬(DDT)により 魚を主食とするハクトウワシは、汚染された魚を食べ 体内に高濃度のDDTが蓄積されて繁殖異常が起こり、激減する。1980年代には10万羽まで回復。

参考文献

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

保全の取り組み

白い羽毛に覆われた頭と白い尾を持つハクトウワシは、米国の誇り高き国鳥だが、かつては絶滅の危機に陥った。何十年もの間、スポーツとしての狩猟や漁場の保護という名目で捕獲されてきたからだ。

また、DDTのような殺虫剤もハクトウワシを激減させる原因となった。これらの化学物質が魚に蓄積され、その魚を主食とするハクトウワシの卵の殻を弱くし、生殖能力の深刻な低下をもたらしたのだ。

しかし1972年にDDTの使用が厳しく制限されて以来、再導入プログラムも実施され、個体数は回復した。その結果、ハクトウワシは見事に絶滅の危機を脱し、米国魚類野生生物局はこのワシを絶滅の危険度の低い保護状態へランクを下げた。

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最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

学名の解説

白い頭の海鷲

参考文献

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

和名の解説

ハクトウワシの名前の由来は、頭から肩にかけて白い羽で覆われているので、「白い頭のワシ」で、「白頭鷲」(ハクトウワシ)になった。

参考文献

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

分類学的位置付け

タカ目 タカ科

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

形態

成鳥の形質

雌雄同色で、成鳥は頭頸部から上胸までと尾が白く、ほかは暗褐色である。嘴と蠟膜と足は黄色で、眼は黄白色である。尾は円尾である。

参考文献

  • 1998 図鑑 日本のワシタカ類 - 書籍全体, 森岡輝明、叶拓哉、川田隆、山形則男(著) 図鑑 日本のワシタカ類. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

幼鳥の形質

幼鳥はオジロワシに似るが。尾は先端部は黒褐色で、基半部は白のまだらによって白っぽい。

参考文献

  • 1998 図鑑 日本のワシタカ類 - 書籍全体, 森岡輝明、叶拓哉、川田隆、山形則男(著) 図鑑 日本のワシタカ類. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

オジロワシ

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

生態

生息環境

海岸付近や河川、湖沼などに生息し、魚類を中心に小動物を捕食する。岩棚に枯れ枝を集め、大きな巣を作る。

参考文献

  • 2012 ワシ・タカ・ハヤブサ識別図鑑 - 書籍全体, 真木広造(著) ワシ・タカ・ハヤブサ識別図鑑. 平凡社. .

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食性

猛禽らしい力強さを発揮し、かぎ爪を使って魚を捕ることもあるが、多くの場合、死肉をあさって食べたり、ほかの動物の獲物を奪ったりしてエサを確保する。小型の哺乳類を捕らえて食べることもある

参考文献

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鳴き声

「キャッキャッキャッ」などと鳴く。

参考文献

  • 2012 ワシ・タカ・ハヤブサ識別図鑑 - 書籍全体, 真木広造(著) ワシ・タカ・ハヤブサ識別図鑑. 平凡社. .

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

生殖行動

ハクトウワシは生涯同じつがいで過ごすと考えられている。つがいは地上高くに枝を集めて、鳥類では最大級の巨大な巣を作り、通常、1年に1度、2個の卵を産む。子どもの毛は全身茶色だが、5歳前後になると特徴的な白い毛が生え、両親と同じような姿になる。

参考文献

最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

関連情報

その他

ワシが巣の中で、ライバルの鳥であるノスリのヒナを育てている珍しい様子が、カナダのブリティッシュ・コロンビア州で発見された。

生物学者や愛鳥家は、ヒナが成鳥になるまで生き延びることができるのか見守っている。育てる側のハクトウワシと、育てられているアカオノスリはどちらも猛禽類で、本来なら激しくいがみ合うライバル同士だ。過去に、両者が壮絶な死闘を繰り広げる様子がビデオに撮影されたこともある。地元の専門家によると、今回のようなほほえましい異種間交流は、この地域では過去に2回しか観察されたことがない。

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最終更新日:2021-04-28 ハリリセンボン

種・分類一覧