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ケアシノスリ(Buteo lagopus)の分類 タカ科(Accipitridae)
ケアシノスリ(Buteo lagopus)の概要 ノスリ属(Buteo)

ケアシノスリ(Buteo lagopus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Buteo lagopus (Pontoppidan, 1763)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:22-25 mm
・全嘴峰:37-38 mm
・翼長:雄 417-432 mm 雌 436-453 mm
・跗蹠:62-76 mm
・尾長:雄 218-235 mm 雌 241-232 mm
・体重:881 g位
・卵:長径 55-59.2 mm × 短径 44.5-46.5 mm 平均長径 57 mm × 短径 45.3 mm

参考文献

最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

分布

デンマーク、スカンジナビア半島、北シベリア、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、アラスカ、北アメリカ北部などで繁殖し、冬季はヨーロッパ中部、トルコ、中国北東部、ウスリー地方、アメリカ南部や日本などで越冬。

日本には数少ない冬鳥として渡来し、北日本や日本海側に比較的多い。ときには東京湾の埋立地の草原や多摩川の河原などにも飛来することがある。

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分類学的位置付け

タカ目 タカ科

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形態

成鳥の形質

【雌雄同色】
額・頭上・後頭・後頸はクリーム白色で、各羽には褐色の軸斑がある。

眼先・眼の上・耳羽はクリーム色で、各羽の羽縁の先端は毛の様に細くて黒色を呈している。

腮・喉はクリーム色で、各羽には暗褐色の細長い軸斑がある。

背・肩羽は暗褐色で、各羽縁は赤錆色を呈し、外側には更に白色の縁がある。

胸はクリーム白色で、各羽には暗褐色の太い斑がある。

腹の中央は暗褐色で、各羽の基部は白色、羽端にはクリーム白色の縁がある。

下腹はクリーム白色。腰は褐色。上尾筒の基部の各羽は褐色であるが、先端の各羽は白色で、各羽端近くには褐色の斑がある。

下尾筒はクリーム色または白色で、ときには褐色の軸斑があるものもある。

翼は暗褐色で、初列風切の基半部は白色、次列風切・三列風切の内弁は白色で、暗褐色の横縞様の斑が多数ある。

大・中・小雨覆の基部は白色、羽縁は赤錆色である。下雨覆・腋羽は白色で、赤褐色の縦斑がある。

尾は白色で、濃褐色の斑が不規則に多数横縞をなしているが、ときには全体に赤錆色を帯びているものもある。

羽端には黒褐色の幅の広い帯があり、その先には更に汚白色の細い縁がある。嘴色は黒色の角色、蝋膜は黄色。

虹彩は褐色。脚色は黄色。脛・跗蹠は全部羽毛に覆われ、赤錆色を帯びたクリーム色で、暗褐色の雨滴形の縦斑がある。

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に短い幼綿羽が密生し、体の上面にはクリーム灰白色、体の下面および体側には白色、後頭には白色の小斑点からなる長い毛のような綿羽が生えている。

【幼鳥】
背面の色は成鳥のものに似ているが、褐色の縦斑はその色淡く、各羽の羽縁は成鳥よりも強くクリーム色またはバフ色を帯びている。

尾の先の1本の黒褐色帯は淡くて狭く、これに続く灰褐色はやや広い。

成鳥は通常このほかになお数本の横帯が見られるのであるが、幼羽のものは通常これを欠き、もしあったとしても不鮮明である。

翼羽は成鳥のものに似ているが、暗褐色は淡く、雨覆の縁は強く鏽色を帯びている。

腮は白色無斑紋。喉はバフ色で下部にのみ僅かな縦斑がある。

胸もバフ色で極めて細い縦斑があり、下胸と腹は淡チョコレート色で、各羽は細いバフ色縁を有するのみである。

脛と跗蹠は帯赭バフ色で淡褐色の三角形斑がある。幼鳥は第1年のマツには換羽しない。

【第1回冬羽】
幼鳥は第2年の4月より徐々に換羽に入り、第2年11月までに完全な換羽を行う。この羽衣で新たに生じる羽毛は成鳥と全く同様である。

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卵の形質

卵は青味がかった灰白色、黄白色、汚白色などの地に暗褐色、褐色などの粗大な斑紋と灰鼠色の斑紋とが散在するが、これらの斑は鈍端の方に密在するのが常である。

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生態

生息環境

北千島では海岸近くの湿原、ツンドラ、丘陵、岩上、砂丘、海岸の岩壁などに生息する。

北海道以北では主として平地の湿原、砂丘、丘陵、芝原などに生活する。森林には住まない。

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食性

動物食を主食とし、ウサギ、ハタネズミ、ヤチネズミ、トガリネズミなどの哺乳類から、ライチョウ、ユキホオジロ、タヒバリ、キジなどの鳥類を捕食する。

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鳴き声

ピョーとノスリの声に似て、それより低調でやや大きい声で鳴き、飛翔中に鳴くことが多い。

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産卵

産卵期は5~6月上旬頃までで、1巣卵数は3-4個が常であるが、ときには1-2個の例もある。

樹枝、灌木の小枝、枯れ草、土などを巣材として皿形の巣をつくり、産座には草類、青松葉などを敷く

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特徴的な行動

平原、湿原中の岩石、棒杙、丘陵などにつまってじっと休みつつ付近にいるネズミ類を探し求めているが、ときには樹上にとまって探し求めることもある。

飛翔その他の動作はノスリによく似るが、ノスリよりやや大形で翼が多少長く、跗蹠に羽毛が生えている点などが異なる。

ネズミ類を好んで食物とし、食物中の不消化物は後に紡錐形のペリットとして吐き出すのが常である。

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種・分類一覧