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ケワタガモ(Somateria spectabilis)の分類 カモ科(Anatidae)
ケワタガモ(Somateria spectabilis)の概要 ケワタガモ属(Somateria)

ケワタガモ(Somateria spectabilis)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Somateria spectabilis (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:27~36 mm
・翼長:246~294 mm  
・跗蹠:42~52 mm
・尾長:0.5~91.5 mm 
・体重:1.6~2.4 kg
・卵:長径 61~76.8 mm×短径 41.5~46.5 mm 平均長径 66.4 mm×短径 43.9 mm

参考文献

最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

分布

全北区分布型。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏で繁殖し、冬はやや南下して、スカンジナビア半島、千島列島、アリューシャン列島、カナダで越冬する。

日本ではまれな冬鳥で、北海道北・東部に記録がある。

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別名・方言名

アカハナケワタガモ

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分類学的位置付け

カモ目 カモ科

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

人間との関係

古くから産座に敷く綿羽が保温材として利用され、現在でも商業的に採取されている。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

生殖羽は頭頂から後頭は青灰色で、頬は淡緑色。黒色の細い過眼線は青灰色と淡緑色の境界線となる。

喉から頸と上背は白色。上胸は淡橙黄色をおびた白色。腹から下尾筒までは黒色。尻脇に大きな白斑がある。

背に1対の三角形の羽が角状にでる。翼は黒で、中雨覆が白く大きな白斑になる。

嘴は橙赤色で先端は灰色、上嘴基部は橙黄色で大きな額板となり黒い線で縁取られる。

足は暗橙黄色。非生殖羽は全体に暗褐色で、額板は縮小してにぶい橙黄色になり、上背に白色のV字形が残り、尻脇の白斑は縮小して灰色になる。

雌は全身が褐色で黒色のうろこ模様で覆われる。翼に白斑はなく、次列風切の前後の縁に細い白線がでる。嘴と足は黒灰色。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

頭上は黄味がかった赤錆色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。

腮は褐白色で、各羽には褐色の軸斑がある。体の上面は黒褐色で、各羽縁は赤錆色を帯びた黄褐色である。

喉と上胸は黄褐色で暗褐色の横斑があるが、ときには白色の斑点があるものもある。体の下面は暗褐色である。

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卵の形質

卵は淡オリーヴ色で斑紋を欠く。

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生態

生息環境

沿岸に現れるが、流氷上で休んでいたり、洋上で潜って採食することが多く、あまり岸辺には近づかない。

繁殖期には湖沼の多いツンドラ地帯にすみ、藪や草が生えた砂礫地で営巣する。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

食性

冬は流氷につき、潜水して、軟体動物、甲殻類、ウニ、海藻などを採食する。

繁殖期には淡水で潜水して、トビケラなどの水生昆虫の幼虫を食べる。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は6~7月、短期的な一夫一妻で繁殖すると考えられる。

巣は水から離れた砂礫地の地上につくり、羽毛で内張りをする。

1巣卵数は5個ぐらい、雌のみが抱卵し、早成性の離巣性で、雛は22~24日ぐらいで孵化する。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

鳴き声

雄はウルル、ウルル、ウルルと啼き、雌はグァーク、グァーク、グァークと啼き、警戒時にはクルー、クルーと啼く。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

特徴的な行動

雄は抱卵の初期に換羽地に去る。雛は次第に集まって100羽ぐらいのクレイシ(託児行動)に入り、数羽の雌が見守る(Johnsgard, 1978)。

非繁殖期には、しばしば1.500羽もの大群になる。

冬の群れの中で、10羽ぐらいの雄が1羽の雌をめぐるグループディスプレイによって番が形成される。

雄は頭を水平にして左右にめぐらしたり、顎を引いてくちばしを垂直に下に向けて泳いだり、立ち上がってはばたいたりしながらコーリングを繰り返すディスプレイをする(Palmer, 1976)。

繁殖期には十分分散して営巣するが、なわばりについての詳しいことはわかっていない。

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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ

種・分類一覧