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- スズガモ(Aythya marila)について

スズガモ(Aythya marila)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Aythya marila (Linnaeus, 1761)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:39~46.5 mm
・翼長:雄 204~220 mm 雌 192~206 mm
・跗蹠:37.5~44 mm
・尾長:50~60 mm
・体重:600~975 g
・卵:長径 62~66 mm×短径 42~43.5 mm
参考文献
最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 分布
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全北区分布型。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の高緯度地方で繁殖し、両大陸の中・低緯度地方に渡って越冬する。
日本には冬鳥として全土に現れ、大きい湖沼、河川、内湾、干潟などにすむが、沿岸の海や大きい内湾、河口部に多く、数百~数千羽の大群が見られる。
繁殖地では、ツンドラや森林ツンドラの中栄養的な池の多い湿地帯にすむ。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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ロシアのレナ川の西からアイスランドまで分布する亜種オオスズガモ A. m. marila とレナ川の東からカムチャッカ半島・北アメリカに分布する亜種スズガモ A. m. mariloides がいる。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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生殖羽は頭部が緑色の金属光沢のある黒色で、冠羽はない。
胸と背前部は黒色。残りの背と肩羽は白黒の細かいさざなみ斑があり、灰色に見える。
腹と脇から体側は白色。尾と上・下尾筒は黒い。翼は黒色で初列風切内側と次列風切は白色で、先端は黒色の線がある。
嘴は青灰色で先端は黒色。足は暗灰色。虹彩は黄色。
非生殖羽は黒色部が黒褐色に変わり、光沢はない。脇から体側は淡く褐色がかる。
嘴は暗青灰色。雌は暗褐色で腹は白色。嘴の付け根に幅の広い白色部があり、冠羽はない。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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雌に類似しているが、成長の体の上面にある微細な白色の斑を欠き、煤煙色かまたは煤けた赤錆色を帯びた褐色である。
嘴色は黒色、虹彩は黄褐色または汚黄色である。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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北千島で蕃殖し、それより以南には冬鳥として渡来し、主として海湾に棲息し、東京湾の千葉沖(1931~1932 調査)や羽田沖、横浜の杉田沖(1924 清棲調査)などの浅い海面や河口近くには200~1000羽位の大群で生活する。
静岡県浜名湖などにも群棲するが、陸地内の湖沼では比較的少ないが、ときには山地(例えば北アルプス山麓松本平:長野県東筑摩郡広丘村:標高 500 m:10/Ⅰ1933 清棲調査)の水辺にも飛来する。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。番は抱卵期に解消される。
巣は草むらの地上に雌がつくり、自分の綿羽で産座をつくる。
1巣卵数は6~11個、雌のみが抱卵し、雛は26~28日ぐらいで孵化、雌だけの世話で40~45日ぐらいで1人前となる。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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若鳥の集合が知られており、1羽の雌が30羽の若鳥を連れていた記録がある。
冬から春に、番形成の雄たちのグループディスプレイがあり、ディスプレイパターンは頭部を上背後に振るものである。
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