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- オオホシハジロ(Aythya valisineria)について

オオホシハジロ(Aythya valisineria)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Aythya valisineria (A. Wilson, 1814)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:54~63 mm
・翼長:雄 225~242 mm 雌 220~230 mm
・跗蹠:42~47 mm
・尾長:57~61 mm
・体重:1.1~1.3 kg
・卵:長径 59.9~65.3 mm × 短径 42.6~45.7 mm 平均長径 62.8 mm × 短径 44 mm
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 分布
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新北区分布型。北アメリカ大陸の中・高緯度地方の西半分で繁殖し、同大陸南部で越冬をする。
日本は分布地域から離れており、めったに現れない迷鳥で、ごくまれに1~4羽ぐらいで訪れて越冬する。
北海道、本州、四国、九州の各地に記録がある。
参考文献
- 中村登流 1995 オオホシハジロ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 38.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 学名の解説
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種小名はセキショウモ類(熱帯から温帯にかけて広く分布する水生生物)を好むという意味。
参考文献
- 吉井正 2005 オオホシハジロ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 98.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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カモ目 カモ科
参考文献
- 吉井正 2005 オオホシハジロ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 98.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄】
頭部、頸は濃い栗色であるが、頭上と顔の前部および腮は黒色を帯びている。
胸は純黒色、腹は白色で胸と腹の境には明瞭な帯がある。
背・肩羽は白色で、極めて微細な灰黒色の波形の横縞がある。下腹と脇は白色で極めて微細な灰色の波形の横縞がある。
腰・上尾筒・下尾筒は黒色であるが、下尾筒は灰色を帯びている。
初列風切は黒褐色、次列風切は石盤灰色、羽端には極めて微細な黒色の波形の横縞がある。
三列風切、雨覆羽は灰色で極めて微細な黒色の波形の横縞がある。尾は黒褐色である。
嘴色は黒色、虹彩は雄は鮮紅色、雌は褐色。脚色は灰青色、汚灰色、黄灰色。
【雌】
額・頭上・後頭・頸は暗褐色、顔は褐色、腮・喉は淡黄色である。
翕は暗褐色、肩羽・背は灰色で、極めて微細な暗褐色の波形の横縞がある。
胸は暗褐色、腹は白色で所々淡灰色を帯び、胸と腹の境には雄のような明瞭な帯を欠いている。
下腹は暗色、下尾筒は黒褐色である。腰・上尾筒は黒褐色である。
初列風切は黒褐色、次列風切は灰色、雨覆羽の外側のものは灰褐色、内側のものと三列風切は背と同様である。尾は黒褐色である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛はホシハジロの雛に類似しているが、それ程黄色が著しくなく、上嘴は青色またはオリーヴ灰色で、下嘴は肉色である。
脚はオリーヴ色または緑オリーヴ色で、蹼は暗色である。
【幼鳥】
雌成鳥に類似しているが、腹は雄幼鳥と同様である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵は暗灰色を帯びたオリーヴ色かまたは緑色を帯びた淡褐色で斑紋を欠く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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湖沼、河口、海湾などに現れる。繁殖地では、草原の湿地帯の小さい池や水路が多いところにすむ。
参考文献
- 中村登流 1995 オオホシハジロ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 38.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 食性
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雑食性だが、植物食が81%で、イネの種子、セキショウモ、アマモなどを食し、動物食としてオオノガイや水生昆虫を食べることもある。
参考文献
- 中村登流 1995 オオホシハジロ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 38.
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は一夫一妻で繁殖し、番は抱卵期に解消される。巣は水面や湿地の水につかるところに、草を積み上げてつくる。
1巣卵数は7~10個、雌が抱卵し雛は24~25日ぐらいで孵化、雌の世話で育ち、58~68日ぐらいで1人前になる。
参考文献
- 中村登流 1995 オオホシハジロ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 38.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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雄はウィック、ウィック、ウィックと啼き、雌はクルル、クルルと啼く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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湖沼の浅い水上に群れ、主として朝と午後に食物を漁り、それ以外のときには眠っていることが多い。
夜間に陸地に飛来して餌を漁ることもある。水上を巧みに泳ぎ、弧を描くように跳ねあがってから潜水するのが常である。
潜水時間としては13~19秒位が常であるが、最長時間は30秒位である。
水上では体を水中深く沈め、尾を水面に浸しているのが常である。
翼を烈しく羽搏いて迅速に飛翔し、遠距離に群飛して行くときにはV字形に並ぶことが多い。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオホシハジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 580-581.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ