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オカヨシガモ(Anas strepera)の分類 カモ科(Anatidae)
オカヨシガモ(Anas strepera)の概要 マガモ属(Anas)

オカヨシガモ(Anas strepera)

【 学名 】
Anas strepera Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:41-47 mm
・翼長:雄 242-280 mm 雌 240-260 mm
・跗蹠:37-43 mm
・尾長:57-115 mm
・体重:740-1150 g
・卵:長径 50.4-59.9 mm × 短径 36.2-43.5 mm 平均長径 54.2 mm × 短径 39 mm

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最終更新日:2020-05-22 キノボリトカゲ

分布

全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の中緯度地方に繁殖分布し、冬は両大陸南部、アフリカ大陸、中央アメリカに渡って越冬する。

日本には本州、九州に冬鳥として現れる。北海道では北部や道東部で少数が繁殖し、9月から翌年の3~4月ごろまで見られる。

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亜種・品種

ファニングオカヨシガモ(絶滅)

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別名・方言名

英名で Gray Duck ともいう。

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分類学的位置付け

カモ目 カモ科

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形態

成鳥の形質

【雄冬羽】
額・頭上・後頭・後頸は褐白色で、暗褐色の斑があり、頭上は暗赤褐色を帯びている。眼の後方には褐色の線がある。

耳羽・頬・腮・喉は褐白色で、暗褐色の斑がある。

背、肩羽は黒褐色で、白色の波形の細い横縞が密在し、背は下部ほど横縞の幅が狭くて最後は不明瞭である。

肩羽の先端にある各羽は細長く延び、その縁は黄褐色を帯びた灰褐色である。

胸は白色で、暗褐色の波形の太い横縞が密在しているが下方ほど疎らである。

腹は白色、下腹には褐色の不明瞭な細い横縞がある。脇は白色で、褐色の細い横縞が密在している。腰・上尾筒、下尾筒は黒色である。

下雨覆、腋羽は白色。風切羽は淡灰褐色で、初列風切の内弁は淡色、次列風切の外側4枚の各羽縁には白色の幅の狭い縁があり、中央3枚の外弁は黒色、内側3枚は白色である。

三列風切は細長い形で先端は尖っている。

大雨覆は栗色で、先端は黒色、中雨覆は栗色、小雨覆は褐色で、褐白色の波形の細い横縞が密在している。

初列雨覆・小翼羽は淡灰褐色。尾は灰褐色で、羽縁には白色の縁がある。尾羽の数は16枚である。

嘴色、雄の場合は暗鉛灰色、雌は嘴側は黄褐色。虹彩は褐色、脚色はオレンジ色。尾羽の数は16枚。

【雄夏羽】
雌に類似しているが、嘴色は暗灰色である。

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最終更新日:2020-05-22 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に綿羽が生え、眉斑は淡黄褐色を帯びたクリーム色で、頬、頸側、前頸、腮、喉なども同色である。

眼先から眼までで暗褐色の狭い過眼線が走っている。

体の上面は黒褐色で、翼帯、背、腰の両側などには淡黄褐色を帯びたクリーム色の斑があり、体の上部の所々には長い赤錆色の綿毛が生えている。

体の下面は淡い黄褐色を帯びたクリーム色で、胸と腹は淡色である。

【幼鳥】
雌に酷似しているが、体の下面には暗色の斑があり、次列風切の中央の3枚の外弁は栗色である。嘴色は黄色。

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卵の形質

卵は淡黄褐色を帯びたクリーム色で斑紋を欠く。

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生態

生息環境

湖沼、沼沢地、池、潟湖、水田、湿地などで見られる。繁殖地では、浅い湖沼や大小の池や水路の多い湿地帯の湿原にすむ。

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食性

夜間に水田や湿地に出て採食する。水面でついばむこともある。

雑食性だが、主としてイネ科、カヤツリグサ科、タデ科などの種子、ヒルムシロなどの水草の葉・茎・根などを食べる。

そのほか、水生昆虫類、軟体動物の貝類、小魚類も食物とする。

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ライフサイクル

繁殖期は5~6月、一夫一妻で繁殖する。番は抱卵期に解消される。

巣はヨシ原や湿地草原の地上に、草の葉や茎で皿形に雌が作り、自分の綿毛で産座にする。

1巣卵数は8~12個、雌のみが抱卵し、雛は27~28日ぐらいで孵化する。

雛は早成性の離巣性で、世話は雌だけが行い、45~50日ぐらいで一人前になる。

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鳴き声

クヮ、クヮまたはグヮ、グヮと啼き、飛翔中にも啼く。

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特徴的な行動

非繁殖期には群れになり、30羽ぐらいまでの群れが多い。渡りも10~40羽ぐらいの小群で行う。

番の形成は群れの中で行われ、8~10月ごろがピークである。雌の周りを泳ぎ回る雄たちのグループディスプレイが見られる。

頭を上げては下し、尻と尾羽をヒョイと持ち上げて下ろすマガモ型のディスプレイをする。

繁殖期の番はなわばりを分散し、なわばりは 14~35 haぐらいである(Cramp & Simmons, 1977)。

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その他生態

日本では群れていることは少ない。夜間餌を求めて陸地に飛来するが、昼間は湖沼などで眠る。

地上では両脚を交互にして歩む。樹上にとまることはない。

湖面や葦野などに降りるときには、付近の上空を数回旋回飛翔して、安全であることを見極めてから舞い降りるのが常である。

水上や地上から直ぐ飛び立ち飛翔はマガモに似ているが、それよりやや軽快で羽搏きも迅速である。

湖上ではマガモよりややカラダを高く水上に浮かべている。銃傷を負ったとき以外には潜水することはない。

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種・分類一覧