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ハイイロガン(Anser anser)の分類 カモ科(Anatidae)
ハイイロガン(Anser anser)の概要 マガン属(Anser)

ハイイロガン(Anser anser)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Anser anser (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:53-76 mm
・翼長:398-482 mm
・跗蹠:66-87 mm
・尾長:130-160 mm
・卵:長径 77-94.4 mm×短径 49.5-62.5 mm 平均長径 85.3 mm×短径 85 mm

参考文献

最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

分布

旧北区分布型。ユーラシア大陸の中緯度地方に広く繁殖し、冬は同大陸南部から北アフリカに渡って過ごす。

日本はその分布地外で世紀の越冬地ではなく、北海道、本州、九州、沖縄の各地に渡来記録があり、ごくまれに現れる冬鳥である。

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亜種・品種

キバシハイイロガン

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分類学的位置付け

カモ目 カモ科

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雌雄同色】
額・頭上・後頭は灰褐色で、頭上の中央と後頸は暗褐色である。前額から上嘴の側部にかけて幅 2-3 mm位の白色帯がある。

耳羽・頬・頸側・前頸は灰褐色、翕・肩羽は褐色で、各羽端には灰白色の縁があり、基部は灰色である。

背・腰・上尾筒は灰色で、上尾筒の側部の各羽は白色である。

胸は淡灰褐色で、胸の下部ほど色が淡く、各羽にはクリーム色の縁がある。

腹と下尾筒は白色、脇は暗褐色で、各羽には淡褐色の縁がある。老成鳥では胸が白く、胸と腹には黒色または石盤色の斑がある。

下雨覆、腋羽は淡灰色。風切羽は黒褐色で、初列風切の基部近くは灰色を帯び、羽軸はクリーム白色である。

次列風切、三列風切の羽軸はクリーム白色、大・中雨覆は灰褐色で、各羽端には灰白色の縁があり、小雨覆・初列雨覆・小翼羽は淡灰色である。

尾は最外側のものは白色で、稀に基部の方が褐色のものもある。

次の2対は白色で、基部近くは褐色を呈し、外側のものほど褐色部が少ない。

ほかの尾羽は暗灰色で、羽端には白色の縁があるが、この縁は中央のものほど幅が狭く、各羽軸はクリーム白色である。

嘴色は淡肉色からオレンジ赤色までの各種の色で、先端は白色。虹彩は褐色。脚色は肉色。

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は前頭、顔、頸側、体の下面などに緑黄色の短い綿羽が密生し、眼の周囲は多少オリーブ褐色を帯び、顔の一部は黄色である。

頭上、後頸、体の上面、体側などにはオリーブ褐色の短い綿羽が密生し、緑黄色の長い綿毛が所々に疎生する。

翼には黄白色の帯がある。

【幼鳥】
体の上面は成鳥より暗色で、翕は暗褐色が勝ち、肩羽の淡色縁は不明瞭で、成鳥にある。

嘴の周囲の白色帯と、体の下面の黒色または石盤色の斑を欠くが、ほかは成鳥と同様である。

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卵の形質

新鮮卵はクリーム白色で、斑紋を欠くが、抱卵が進むと次第に汚染して淡褐色を帯びる。

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生態

生息環境

湖沼、湿地、ヨシ原、水田、海湾、草原などに現れ、ほかのガン類の群れに混じる。

繁殖地では、ツンドラ地帯から山岳地の湖沼の小島に至るまで幅広くすむ。

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

食性

植物質を食物とする。

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鳴き声

遠くではグヮハハン、グヮハハンまたはグァー、グァーと鳴く。飛翔中にも鳴く。

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

産卵

産卵期は3月下旬から6月上旬までで、1巣卵数は4-6個が常で、ときに3個、7個の例もある。

毎日1卵ずつ産卵し、全卵を産む間に1日間位間を置くのが常である。

全卵を産み終わると抱卵にかかり、雌だけが抱卵する。雛は27-28日位で孵化する。

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

特徴的な行動

群棲することが多く、両脚を交互にして静かに歩みながら頭部を下げて地上の草類などを食物として漁り、ときには水上で泳ぎながら餌を漁ることもある。

朝夕に餌を摂るのが常であるが、ときには夜間にも食物を漁ることがある。

昼間は湖畔や乾田などの見通しのよい所に群れて、片脚で立ち頭部を後方に向け背羽の間に入れて眠るのが常で、水上で眠ることは稀である。

飛び立つときには滑走せずに翼をやや重々しく羽搏いて直ぐ舞い上がる。

飛翔時には頸を前方に延ばし、脚を後方に引いて腹部にぴったりとつけている。

群飛するときには、斜線またはV字形に並んで飛ぶことが多い。

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

種・分類一覧