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- オオハム(Gavia arctica)について

オオハム(Gavia arctica)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Gavia arctica (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:67~70.5 mm
・翼長:297~326 mm
・跗蹠:76~84.5 mm
・尾長:52~64 mm
・体重:1500 g位
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオハム, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 659-660.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 分布
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全北区。北半球北部のタイガからツンドラ地帯、カナダ北部に分布し、内湾や湖沼の岸で繁殖する。
冬はやや南下し、冷温帯の沿岸で越冬する。北海道では旅鳥、本州以南では冬鳥。
主として本州、四国、九州、佐渡島の海上で見られる。
参考文献
- 中村登流 1995 オオハム, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 255.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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英名では Black-throated Diver ともいう。
参考文献
- 吉井正 2005 オオハム, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 95.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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アビ目 アビ科
参考文献
- 吉井正 2005 オオハム, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 95.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄雌夏羽】
額は暗褐灰色、頭上・後頭は灰鼠色、眼先・耳羽は暗灰褐色、腮・喉は黒色で暗緑色の金属光沢がある。
下喉には白色の縦斑からなる横帯があり、前頸は黒色で、暗緑色の金属光沢がある。
頸側は黒色で、白色の縦線が数条列をなして走っている。上頸は後頭から引き続いて灰鼠色である。
後頸の下部は銅鉄様の金属光沢のある黒色である。
肩羽・背・腰・上尾筒は銅鉄様の金属光沢のある黒色で、肩羽と背の両側には白色の幅の広い横斑が横縞をなして多数ある。
胸・腹は絹様光沢のある純白色で、上胸側には黒色の縦線が多数列をなして走っている。
下尾筒の先端の部分の各羽は黒色で、羽端は白色を呈し、下尾筒の基部は純白色である。
肛門の両側の羽には黒色の斑がある。風切羽は黒褐色、大、中雨覆は黒褐色で、白色の雨滴形の小斑が多数ある。
小雨覆・初列雨覆・小翼羽は黒褐色、下雨覆・腋羽は白色である。尾も黒褐色である。
嘴色は黒褐色、虹彩は濃栗色、脚色は跗蹠の外側は黒色、跗蹠の内側と内趾は赤色、青白色、肉色などで、趾膜は白色を帯び、爪は暗色である。
【雄雌冬羽】
頭上・後頭・後頸は暗灰鼠色、眼先・耳羽・腮・喉・前頭・頸側は純白色である。
体の上面は暗褐色で、各羽縁は多少淡色を呈している。
尾羽の先端には白色の縁がある。体の下面は夏羽と同様である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオハム, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 659-660.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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幼鳥は冬羽に類似しているが、下頸から尾までと雨覆の各羽には灰鼠色の縁がある。
嘴色は淡青色、虹彩は煤けた褐色。
参考文献
- 清棲幸保 1955 オオハム, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 659-660.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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沿岸部の海上にすみ、内陸にはほとんど入らない。海の荒れた日には湾内や河口に現れる。
参考文献
- 中村登流 1995 オオハム, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 255.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- 食性
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水に潜って主に魚類を捕まえるが、水生昆虫、カニやエビなどの甲殻類、沿岸域ではイカ類なども餌にする。
参考文献
- 中村登流 1995 オオハム, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 255.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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5~6月に湖岸の草地に草や海藻で巣をつくり、2卵を産み、雌雄交替で28~30日抱卵する(Cramp & Simmons, 1977)。
雌雄共同で雛に給餌する。
一夫一妻の番が広いなわばりを構えて分散するが、小さな池の岸では集団で繁殖することもある(Cramp & Simmons, 1977)。
参考文献
- 中村登流 1995 オオハム, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 255.
最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ