スカンク科(Mephitidae)の解説トップに戻る
スカンク科(Mephitidae)の分類 哺乳綱(Mammalia)
スカンク科(Mephitidae)の概要 食肉目(Carnivora)

スカンク科(Mephitidae)

【 学名 】
Mephitidae

基本情報

大きさ・重さ

全長:40~68 cm
体重:0.5~3 kg

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

亜種・品種

・シマスカンク
英名:striped skunk
学名:Mephitis mephitis
分布:カナダ南部、アメリカ合衆国、メキシコ北部に分布する。
特徴:もっともふつうにみられる種。市街地を含む多様な生息環境である。地中に掘った穴や建物の下にも巣穴を作る
全長:68 cm
体重:1.5~3 kg
形質:体毛は黒色で、背中と尾に長短の白い縞が走る。頭に白の斑点をもつ。黒い毛と白い毛は混じりあわない。
交尾:2月
妊娠期間:62~66日。5~6月に3~9子を産む

・セジロスカンク
英名:hooded skunk
学名:Mephitis macroura
分布:アメリカ合衆国南西部。
特徴:稀少でシマスカンクより人目を避ける傾向がある。
形質:体毛は黒色で背中は白色。1~3本の白い縞をもつことがある。黒い毛と白い毛は混じり合う。
交尾:2月
妊娠期間:63日。5月に3~5子を産む

・ブタバナスカンク
英名:hog-nosed skunk
Canepatusの7属

・ブタバナスカンク(C.mesoleucus)
分布:アメリカ合衆国南部、ニカラグア

・テキサスブタバナスカンク(C.leuconotus)
分布:テキサス東部、メキシコ東部

・アマゾンスカンク(C.semistriatus)
分布:メキシコ南部、ペルー、ブラジル

・アンデススカンク(C.rex)
分布:ペルー

・アンデススカンク(C.castereus)
分布:アルゼンチン

・アンデススカンク(C.chinga)
分布:チリ、アルゼンチン、パラグアイ

・パタゴニアスカンク(C.humboldti)
分布:パタゴニア
特徴:様々な生息環境に棲むが、岩の多い土地を好む。岩の割れ目や地中の穴に巣を作る。
全長:60 cm
体重:1.5~2 kg
形質:体毛は黒色で、背中に大きな白い帯をもち、尾は白い。シマスカンクとは分布が重ならないところでは体色が似ることがある。異なるのは、頭に白い縞を持たないことと、鼻づらが長く裸出している点である。大きいかぎ爪も鼻づらもともに土を掘ることへの適応である。
交尾:2月
妊娠期間:42日。5~6月に2~4子を産む

・マダラスカンク類
英名:spotted skunk
Spilogale属の4種

・セイブマダラスカンク(S.gracilis)
分布:アメリカ合衆国西部からメキシコ中部に分布する。

・トウブマダラスカンク(S.putorius)
分布:アメリカ合衆国南東部と中央部からメキシコ東部

・ミナミマダラスカンク(S.angustifrons)
分布:メキシコ中部からコスタリカ

・ピグミーマダラスカンク(S.pygmaea)
分布:メキシコ西部と南西部
特徴:どの種も木に登るのがうまい。割れ目や地中の穴に巣をつくり、低い建物も利用する。
全長:全て 40 cm
体重:0.5 kg
形質:体毛は黒色で、切れ目のある白色の縞4~6本か、白い斑点を持つ。毛は他の属のものに比べて柔らかい。
繁殖:全種で2~6子である
交尾:ミナミ、トウブ、ピグミーは2~3月に交尾を行う
妊娠期間:42日。5月に産まれる。トウブは妊娠が2週間遅れることがある。セイブは夏の終わりに交尾し、受精卵の着床の遅滞を経て4~5月に出産する。

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

分類学的位置付け

イタチ科 スカンク亜科

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

生態

生息環境

様々な生息環境に見られ、市街地でもふつうにいるが、開けた土地や林縁部をより好む。

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

食性

主に肉食で、主な獲物は昆虫と小型哺乳類であるが、ジムシ、鳥の卵、果物も季節によっては食べる。採食は夜中で、長い前足のかぎ爪を使って食物を掘り出す。

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

活動時間帯

夕暮れ時に活動するマダラスカンク類以外は、主に夜行性で、例えばシマスカンクは、夕暮れと明け方と夜間だけ食物を漁る。獲物を求めてゆっくりしたペースでのろのろと歩き、人間や家畜との接触を避ける。

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

その他生態

冬、天候条件が悪い場合、じっと動かずに巣穴にこもる時期(真の冬眠ではない)が見られる。一部の地域では数種が一緒に分布しているが、それぞれの種によって利用する地域は異なる。このような生息環境の分割が共存を可能にしている。ただし、もっともふつうの種であるシマスカンクは、ほかの種と分布が重なるところでは必ず優勢である。

スカンクはキツネ、アライグマ、コヨーテと共存し、こうした動物と同じ巣穴を使うことが良くあるが、使う時期は異なる。ウシ、ウマ

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

関連情報

感染症

スカンクはアメリカ合衆国の多くの地域で狂犬病の主な媒介者である。数年で4000例以上の狂犬病がスカンクで認定されている。これは、野生動物における全例の3分の2以上にあたる。狂犬病の大発生に果たすアカギツネの役割が最近減少しているのに対し、スカンクのそれは増大している。

狂犬病を媒介することから、一部の地域では初期の自作農家の入植者がスカンクを恐怖病ネコ、恐水病スカンクと呼んでいた。

狂犬病にかかったスカンクは実際のところ動くものは何でも襲うようである。あらゆる種のスカンクが狂犬病を媒介するが、シマスカンクは分布が広いので、もっとも関わることが多い。

スカンクの狂犬病はアメリカ中西部でもっとも流行し、最近ではテキサスとカリフォルニアで人間が狂犬病にかかるもっとも重要な原因となっている。

狂犬病のスカンクは唾液中に狂犬病ウイルスを高濃度に持っており、また潜伏期間が長いためにこの病気の重要な病原ウイルス保有者である。スカンクの発射液が狂犬病ウイルスを感染させたという例は知られていない。

参考文献

  • P. R. フォークト 1986 スカンク, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-03-17 ハリリセンボン

種・分類一覧