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ビクーニャ(Vicugna vicugna)の分類 Camelidae
ビクーニャ(Vicugna vicugna)の概要 Vicugna

ビクーニャ(Vicugna vicugna)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Vicugna vicugna (Molina, 1782)

基本情報

大きさ・重さ

体長:1.5 m
体重:40~55 kg

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

分布

南アメリカ西部、アンデス山脈、高山帯に生息している。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ラクダ科

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

形態

成獣の形質

長い首をもち、無地の明るいシナモン色から黒っぽいシナモン色の毛で、さまざまな白い「よだれかけ」と白い腹部をもつ。この「よだれかけ」は個体ごとに模様が違う。長い肢は体の真ん中あたりに位置する。

ビクーニャは厚い被毛をもち、被毛は複数の層をなしており、皮膚の周りの温かい空気を閉じ込めるとともに、外の冷たい空気を遮断できる。
またビクーニャの歯は有蹄類にしては珍しく、下顎の前歯(門歯)が齧歯類の歯のように常に伸び続け、エナメル質が前側にしかない。ビクーニャは奥歯でひっきりなしに硬い草を噛んでいるため、この門歯は上あごの硬い歯床盤にたえずこすられ、鋭さが保たれている。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.
  • 小菅正夫 2017 ビクーニャ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 110₋111.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

生態

生息環境

標高 3,500 m以上の乾燥した開けた草原に、小さな家族群で暮らす。ときに標高 5,750 m付近でも見られるが、雪線は決して越えない。

参考文献

  • 小菅正夫 2017 ビクーニャ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 110₋111.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

食性

多年生植物の草を選択して食べ、縦に割れた上唇と、のび続ける門歯をつかってものを食べる。らくだと異なり、毎日水を飲む必要がある。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

天敵

キツネ

参考文献

  • 小菅正夫 2017 ビクーニャ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 110₋111.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

出産

妊娠期間は342~345日、産子数は1子である。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

特徴的な行動

優れた耳と目をもっており、捕食者に気付くと笛のような鳴き声で警告を発する。
若い雄のビクーニャはよく遊びで戦って、噛みつき合っている。性成熟すると、この戦いがもっと真剣になる。勝者は雌だけの群れに加わって、自分の家族をもつことができる。

参考文献

  • 小菅正夫 2017 ビクーニャ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 110₋111.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

その他生態

1頭の雄、5~10頭の雌とその子どもがいる群れは、糞と尿でマーキングしたなわばりをもつ。この群れは10頭を大きく超えることはない。なぜならリーダーの雄が、子どもたちを生後10ヵ月で追い出すからである。家族を離れた若いビクーニャたちは、2歳前後で自分の家族を持つまで単独で暮らすか、同性の群れを形成する。

ビクーニャの習性で変わっているのは、採食の縄張りと睡眠の縄張りが分かれていることである。またビクーニャは毎日水を飲まなくてはならないため、採食の縄張りには淡水が飲める場所が欠かせない。

ビクーニャの家族は比較的安全な急斜面で夜を明かす。日が昇ると、再び高原に戻って草をはむ。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.
  • 小菅正夫 2017 ビクーニャ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 110₋111.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

関連情報

その他

1950年代には、1万頭以下のビクーニャだけがペルーに生き残っていた。これは、500年前に生息していた全個体数の1%にも満たないと考えられている。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 ビクーニャ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 330.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

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