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- イイズナ(Mustela nivalis)について

イイズナ(Mustela nivalis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Mustela nivalis Linnaeus, 1766
基本情報
- 大きさ・重さ
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頭胴長:雄 137~255 mm 雌 111~200 mm
尾長:雄 16~35 mm 雌 13~32 mm
足:雄 20.0~26.2 mm 雌 16~24 mm
耳:雄 8.2~16.0 mm 雌 7.5~13.5 mm
頭骨全長:雄 28.5~36.7 mm 雌 28.4~34.0 mm
北海道産個体では、雄は頭胴長 18 cm、尾長 2 cm、体重 80~100 g、雌は頭胴長 15 cm、尾長 2 cm、体重 50 gほどである。雄が大型という性的二型がはっきりしているが、雄でも頭胴長 20 cm、体重 100 g以下と小さな食肉類であるため、他種と間違えることは少ない。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 1960 原色日本哺乳類図鑑 - 書籍全体, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. .
最終更新日:2020-06-29 ハリリセンボン
- 分布
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ヨーロッパ北部(ノルウェー、スイス、北部イタリア)からアジア北部(韓国、中国、シベリア、コーカサス)、ユーラシア北部全域に広く分布する。
日本では、北海道と本州北部(青森、岩手、秋田)にのみ生息する。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 1960 原色日本哺乳類図鑑 - 書籍全体, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. .
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- 分類学的位置付け
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食肉目 イタチ科
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
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形態
- 成獣の形質
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夏毛は背側が濃い褐色で腹側は白い。冬毛は全身白色となる。尾は極めて短く先が尖り、先端は黒色ではない。耳介の頂上は僅かに白い。夏毛でも掌蹠球間には長毛を生じ、指先には爪よりもはるかに長い銀白毛がある。
頭は長く平らである。その正面の門歯は小さく、鋭く盛り上がった臼歯で獲物の軟骨や腱を切り裂く。
チョウセンイタチあるいはイタチほどではないが、特有の臭いがある。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
最終更新日:2020-06-29 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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ツンドラ、ステップ、半砂漠、開けた森、農地、草地などさまざまな環境に生息する。
北海道では、牧草地周辺から海岸草原、原野、山地まで広く分布する。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
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- 食性
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ノネズミ類、鳥類、昆虫などの小動物を捕食する。主に視力と嗅覚を使って狩りをし、獲物の首に的確に噛みついて殺す。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
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- 出産
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妊娠期間は34~37日、産仔数は1~7である。柔らかい素材でできた巣に産む。
北海道では春から秋にかけて年数回繁殖し、一度に4~8頭の仔を産む。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
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- 特徴的な行動
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危険がせまるとシューと鳴いたり、金切り声を上げたりし、肛門腺から強烈で不快な匂いを発する。またそれを使って、同種の個体とコミュニケーションをとると考えられている。
参考文献
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
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- その他生態
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食肉目中最小の種である。
小型で細長く、ノネズミ類の巣穴に入り込みネズミを捕食することに特に適応している。
イイズナは単独で棲み、ほかの動物が入れない岩の割れ目や木の根や穴に、獲物の毛や羽毛を敷き詰めた巣をいくつかつくる。
雪の下で獲物を刈ることで、過酷な北方の冬を生き延びる。厚く積もった雪は、非常に低い気温では断熱材として働く。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
- 1960 原色日本哺乳類図鑑 - 書籍全体, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. .
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
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関連情報
- その他
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青森県産のイイズナは染色体の構造に違いがあるなど、北海道のものと異なる点が見られる。
本州のものは環境省レッドリストで絶滅の恐れのある地域個体群(LP)とされている。
参考文献
- 米田政明 2008 イタチ科, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. pp. 80-88.
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