- 解説一覧
- スイートピー(Lathyrus odoratus)について

スイートピー(Lathyrus odoratus)
【IUCN】ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
- 【 学名 】
-
Lathyrus odoratus L.
基本情報
- 草丈・樹高
-
4 m近く伸びる。
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 生活形
-
一年草
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 原産地
-
イタリアのシシリー島原産。
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 学名の解説
-
種小名は「芳香がある」ことを意味する。
参考文献
- 遠藤泰彦 1997 スイートピー, 八尋洲東(編) 植物の世界5,種子植物 双子葉類5. 朝日新聞社. 25₋26.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 別名・方言名
-
スイートピーは英名「sweet pea」からきた呼称である。
和名として「麝香連理草」、「麝香豌豆」、「匂豌豆」、「花豌豆」など多くの異名がある。
参考文献
- 遠藤泰彦 1997 スイートピー, 八尋洲東(編) 植物の世界5,種子植物 双子葉類5. 朝日新聞社. 25₋26.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
【スイートピーの文化史】
スイートピーについては1697年にフランシスクス・クパーニ(Franciscus Cupani)神父が『Hortus Catholicus』に載せた解説が最古の記録とされる。
イギリスのケンジントンの種苗家ロバート・ファーバー(Robert Furber)が自らのコレクションをもとに作成した種苗販売用のカタログ、『Twelve Months of Flower』(花の12ヵ月)の1730年6月号にはスイートピーを描いた絵が初めて載せられた。売り物として種子のことが掲載されたのはこれが最初といわれている。
最初あまり広まらず、色変わりも19世紀初頭には5色、1837年に6色に増えた程度であった。
人工交配が行われるようになったのは19世紀後半に入ってから、1900年にスイートピー200年大展示会がクリスタルパレスで開かれ、翌年 National Sweet Pea Society が設立された。以後今日に至るまで、次々と新品種がつくられてきた。
スイートピーはとりわけエドワード7世(在位1901~1910)時代にもてはやされ、アレグザンダー王妃のお気に入りであった。
花の時期になると、晩餐の食卓や結婚式の宴席、ボタンホールにスイートピーはなくてはならないものであった。現在と同様、その人気は驚くほど広範囲に及んでいた。それについて、W. T. ハッチンズ牧師が200年大展示会において以下のように述べている。
「スイートピーにはあらゆる海岸を目指す船の竜骨に似た弁と、すべて陸を超えて飛んでいくための翼のような弁と、どの国でも親しまれる旗の形をした弁とがある。そして全人類のための福音書、つまりどこでも歓迎され、今日までに豊かに成就されてきた美しい予言のような芳香がある」
1695年に初めてシチリア島で記録されて以来、今日までに花弁の色や形にさまざまな改良が加えられてきた。現在最も一般的にみられるのは、花が大きく旗弁にしわがあって、端が波状になる園芸品種(スペンサー)で、1904年に米国で作出された。
【夏咲き系】
10月頃種子を播いて、5月下旬~6月に開花する。耐寒性が強く長日で花芽分化して発達する。花壇用。
現在栽培されている園芸品種の多くは、イギリスで1904年にコール(S. Cole)によって改良された旗弁の大きいレイト・スペンサー系(Late Spencer Type)で、各色の園芸品種がある。
【春咲き系】
夏咲き系と冬咲き系の中間の形質をもち、開花に及ぼす長日の効果は夏咲き性ほど明らかでない。幼植物の低温処理により、開花は促進される。戸外では5月に開花する。
このケイトウは最初アメリカのカスバートソン(F. G. Cuthbertson)によって改良されたもので、暖地の露地栽培、やや寒地でのハウス栽培に適している。
現在はカスバートソン系([Evelyn]、 [Frank Gey])などと共に、大輪で多花性のロイヤル形([Royal Rose Pink]など)が販売され、それぞれ多くの色の違った園芸品種がある。
【冬咲き系】
温室で切り花用に栽培される系統で耐寒性、耐暑性ともに弱い。開花には長日の影響はなく、低温処理により開花は促進される。
最初アメリカのズヴォラネク(A. C. Zvolanek)が1800年代末に作出した。その後この系統の品種改良は急速に進み、現在はやや花数は少ないがもっとも早生のアーリー・スペンサー系([American Beauty]、[Mrs. Douglas MacArthur]など)、大輪で茎が太く多花性のアーリー・ムルティフロラ・ギガンテア系([Diana]、[Easter Parade]、[Gloria]、[Susie]など)が営利的に栽培されている。
なお最近改良されたアーリー・マンモス系はアーリー・ムルティフロラ・ギガンテア系よりさらに大輪であり、1962年から切り花用栽培に使われている。
【矮性系】
最近とくに花壇やプランター、鉢植え用として改良が進んでいる系統でもある。高さは 60 cm程度から 20 cm前後のものまである。
高性(高さ 60 cm程度)のものとして、[Little Elfe]、[Knee Hi]などがあり、いずれも夏咲き系である。
中性(高さ 40~50 cm)のものとして冬咲き系の[Bijou]、夏咲き系の[Jet Set]などがある。
低性(高さ 20~30 cm)のものには夏咲き系の[Little Sweetheart]、冬・春咲き系の[Pateo]などがある。
参考文献
- 南大路文子 1994 スイートピーの文化史, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 317,2666.
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
-
葉は1対の小葉からなる。小葉は楕円形で、長さ約 5 cmになる。
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 花の形質
-
花は1~4個が腋生し、径約 5 cmで、芳香がある。野生種は、旗弁は赤紫色で翼弁は淡青色で紫脈が入りよく目立つ。
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
- 果実の形質
-
果実は有毛で、長さ約 5 cmになる。
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
-
花壇用の播種の適期は10月上~中旬(営利用の冬咲き系は8月下旬播)。発芽適温は20℃である。
1晩水浸後、吸収しない硬実種子を除いて、3号ポットに3粒ずつ播く。覆土は 1 cm。1週間で発芽する。
発芽後2週間ぐらいして本葉が5~6個出た頃、3~4節残してピンチをする。そうすれば力強い新芽が伸びてくる。
11月上~中旬頃、ポットのまま、または丁寧にポットから抜いて定植する。定植する場所は十分耕し、1 ㎠あたり腐葉土または堆肥を 2~3 kg、苦土石灰 30 gを土とよく混ぜておく。
1 ㎡あたり6~7ポットぐらい植え、支柱を立てる。定植後の追肥はふつうの化学肥料で 1 ㎡あたり年間 100~150 gを目安とする。
葉の先につくひげづるを残すと隣の株と絡み合うので、伸び次第はさみで切る。茎が伸びるにつれ、支柱に結びつける。
参考文献
- 並河治 1994 L. odoratus, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 2665₋2666.
最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン