- 解説一覧
- Hippeastrumについて

基本情報
- 分布
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ブラジル、ペルーを中心とする南アメリカに約70種が分布する。そのいくつかを交雑して育成された園芸品種群を、一般に「アマリリス」と呼んでいる。
参考文献
- 森源治郎 1997 アマリリス, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. p. 54.
最終更新日:2021-02-08 ハリリセンボン
- 和名の解説
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アマリリスの名は、ヒッペアストルム属がもともとアマリリス属と同属とされていたことからきている。
参考文献
- 森源治郎 1997 アマリリス, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. p. 54.
最終更新日:2021-02-08 ハリリセンボン
- 人間との関係
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日本に最初に導入されたのはヒッペアストルム・プニケウム(Hippeastrum puniceum)と呼ばれる種で、1830~1844年に渡来し、「金山慈姑」の名前で呼ばれた。
これに続いて1844~1848年にはブラジル原産のヒッペアストルム・レギナエ(H.reginae)が渡来し、「ジャガタラ水仙」の名で親しまれていた。
また昭和初年には、ブラジル原産のヒッペアストルム・レティクラトゥム(H.reticulatum)と、この変種で葉の中央脈に沿って乳白色の帯が入るシロスジアマリリス(var. striatifolium)が導入されている。
しかし今日、アマリリスとして栽培されているのは園芸品種がほとんどであり、原種の栽培はほとんど見られない。
最初の交雑種は、1799年にイギリスのランカシャー州の時計工、ジョンソンがペルー原産のヒッペアストルム・ウィッタトゥム(H.vittatum)とヒッペアストルム・レギナエを交雑してつくった、ヒッペアストルム・ヨンソニイ(H. ×johnsonii)とされている。このころ交雑種は剣弁だったが、ペルー原産のヒッペアストルム・レオボルディイ(H.leopoldii)とヒッペアストルム・パルディヌム(H.pardinum)が交雑親に用いられるようになり、1870年に初めて丸弁の大輪アマリリスが作出され、これが大輪系アマリリスの生みの親となっている。
高度に改良された大輪系アマリリスは遺伝的に不安定であり、実生繁殖ができないうえ、自然分球がしにくく、増殖が困難であった。しかし、1926年にオランダのルイテン女史によって始められた鱗片繁殖技術が確立され、第二次世界大戦後には栄養系の固定品種が普及するようになった。
ヒッペアストルム属は半耐寒性の球根植物で、鉢植えや花壇植えにするほか、切り花としても利用される。
参考文献
- 森源治郎 1997 アマリリス, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. p. 54.
最終更新日:2021-02-08 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は線形または帯状で、基部が肥厚して大型の鱗茎をつくる。
参考文献
- 森源治郎 1997 アマリリス, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. p. 54.
最終更新日:2021-02-08 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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花茎は太く中空である。鱗茎は開花可能な大きさになると、その後は4枚の葉を形成するごとに1本の花茎を形成する習性がある。ふつう春から秋にかけての生育期間中に、3~4本の花茎が形成されるが、このうち開花するのは1~2本の花茎であり、ほかは発育の途中で枯死する。
参考文献
- 森源治郎 1997 アマリリス, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. p. 54.
最終更新日:2021-02-08 ハリリセンボン
- 花の形質
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大きなろうと形の花を2~6個、茎頂の散形花序につける。柱頭は深裂し、子房は下位。多くの種は、春に葉が出始めるのと相前後して開花するが、秋咲きの種もある。
参考文献
- 森源治郎 1997 アマリリス, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. p. 54.
最終更新日:2021-02-08 ハリリセンボン