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ユキツバキ(Camellia japonica var. rusticana)の分類 Camellia
ユキツバキ(Camellia japonica var. rusticana)の概要 ヤブツバキ(Camellia japonica)

ユキツバキ(Camellia japonica var. rusticana)

【 学名 】
Camellia japonica var. rusticana (Honda) T. L. Ming

基本情報

花期

5~6月

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ユキツバキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 203.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

分布

南は滋賀県北部から秋田県にいたる日本海側の山地の多雪地帯に分布する。

参考文献

  • 田村輝夫・萩屋薫・箱田直紀 1994 ユキツバキ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1488₋1489.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

和名の解説

雪の多い地方にのみ見られるツバキであることから、この名がある。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ユキツバキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 203.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ツバキ科

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ユキツバキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 203.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

人間との関係

日本の野生ツバキは、ユキツバキとヤブツバキがある。

【成分】
精製したツバキ油は、脂肪40~65%を含み、その主要成分はオレイン酸グリセリドで、不飽和脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸を含んでいる。花弁には、多量のタンニンを含む。

【薬効と用い方】
・ツバキ油は軟膏の基礎剤に、花は整腸に用いる
オリーブ油の代用として、パスタ剤、軟膏の基礎剤の材料として製薬会社が多く用いている。

・毛髪油、刀剣油などに用いる
空気酸化が遅く、粘着しないため、整髪用に用いる。また刀剣など金属類のサビ止めに用いる。

・江戸紫染めの媒染剤に用いる
江戸時代に神田上水の水とムラサキの根、伊豆大島の椿灰による品質のよい江戸紫染めが有名になった。葉や枝を焼いた灰を媒染剤にすると、鮮やかな紫色が得られる。

・釉薬に用いる
陶磁器の表面にガラス状の被膜を作るのに椿灰を用いる。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ユキツバキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 203.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は長さ 9 cm、幅 4.5 cmの楕円形で、ツバキに比べて葉柄が短く、その両側に毛が生えており、質は薄く葉脈が明瞭で鋸歯は鋭い。

葉の横断面は、クチクラ層の下に表皮細胞の2層が並び、その下に柵状組織の細胞が並んでいる。この表皮細胞の2層は、ヤブツバキの葉にはない。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ユキツバキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 203.
  • 田村輝夫・萩屋薫・箱田直紀 1994 ユキツバキ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1488₋1489.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

花の形質

花は赤色、一重平咲きで径 7 cm、花弁は6個あり、狭くて質が薄く、先が2裂する。

雄しべは散開し多数あり、花糸は黄色で基部で少し合着する。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ユキツバキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 203.
  • 田村輝夫・萩屋薫・箱田直紀 1994 ユキツバキ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1488₋1489.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

生態

生育環境

主に日本海側の標高 300~1000 mの山地に生える。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ツバキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 309.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

その他生態

枝はしなやかで折れにくい。挿木の発根はよく、ツバキより耐寒性は劣る。

2n=30の2倍体で多くの園芸品種が発表されている。種間交雑の親和性は、ツバキと同様に広い。

参考文献

  • 田村輝夫・萩屋薫・箱田直紀 1994 ユキツバキ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1488₋1489.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

関連情報

その他

北陸地方の山麓地帯にはユキツバキとツバキの中間型が分布しており、ユキバタツバキ(var. intermedia)と総称されている。

参考文献

  • 田村輝夫・萩屋薫・箱田直紀 1994 ユキツバキ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1488₋1489.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

種・分類一覧