- 解説一覧
- ウイキョウ(Foeniculum vulgare)について

基本情報
- 和名の解説
-
漢字で茴香となっているのを、中国読みにしたところから日本名が出た。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ウイキョウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 495.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
薬用の目的でわが国に入ってきたものであり、薬用に栽培されていたが、今日では薬用に使われるほかに、食品に属するスパイス料としての消費が多くなっている。
長野、鳥取などで栽培されているが、その大部分はスパイスとして使われ、中国からも輸入している。
料理用に用いるには、茴香をひいて、魚や肉のソースなどの風味添えに使用する。また、ロシア風の漬物にも用いられる。料理関係では「フェンネル」という英語名が通用している。
【成分】
芳香成分は精油で、アネトール、エストラゴール、ピネン、アニスアルデヒドのほか、脂肪油を含んでいる。我が国で栽培されるものは、中国産に比べて精油の含有量が多いのが特徴とされている。
【薬効と用い方】
健胃、駆風、去痰に用いる。茴香を粉末として、1日量 0.5~2 gを数回に服用する。駆風とは、腹に溜まったガスを排出することを言う。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ウイキョウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 495.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
-
春に葉が群生し、長い柄があって、もとは鞘となる。葉は糸状に裂け、上へ行くほど柄は短く、全体に特有の強い香りがする。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ウイキョウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 140₋141.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
-
茎葉円柱状平滑で直上、上方でさかんに枝をわかち、2 mぐらいになる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ウイキョウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 140₋141.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 花の形質
-
枝先に複散形状につき、黄色で細かい。花弁5は内側に曲がり、雄しべ5、下位子房1である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ウイキョウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 140₋141.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 果実の形質
-
果実は2分果の合わさったもので、強く香り、長さ約 5~10 ㎜、径は 3~4 mm、長円柱状で、先に柱頭の残りがある。分果の背面にはそれぞれ5本の肋条があり、両端の2本は特に隆起する。
よく熟したものは表面が麦わらのような黄色で、未熟のものを採取すると、黄緑か緑色をしている。
特異な芳香と、やや甘い味があるのが特徴である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ウイキョウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 140₋141.
- 伊澤一男 1998 ウイキョウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 495.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
-
庭の隅に栽培するには、夏涼しい地方がよい。
排水のよい砂質の土地で、風通しがよく、日当たりのよい所に4月上旬に種をまく。約2週間で発芽するが、株間 60 cmぐらいになるように適当に間引く。
採取時期は果実の完熟する一歩手前で、まだ緑の部分がいくらかある9月頃に、果穂ごと採取する。2~3日、日干しにする。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ウイキョウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 495.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン