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- シオン(Aster tataricus)について

シオン(Aster tataricus)
【環境省】絶滅の危険が増大している種
- 【 学名 】
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Aster tataricus L. fil.
基本情報
- 原産地
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中国、朝鮮半島、シベリアなどが原産地である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 シオン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 743.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 和名の解説
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『本草和名』(918)や『和名抄』(932)には漢名の紫苑に対して、和名ノシの名を挙げている。
『万葉集』にはオニノシコグサ、『古今和歌集』にはシオニ、『枕草子』や『源氏物語』になると、シオンの和名が出てくる。
紫苑の中国音はジワンなので、これがなまってシオンとなったのであろう。
参考文献
- 伊澤一男 1998 シオン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 743.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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オニノシコグサ(鬼醜草)、シオニ
参考文献
- 副島顕子 1997 シオン, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 98₋99.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 人間との関係
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秋の季語になっているシオンは丈の高い野菊である。
わが国には古い時代に薬草として入ったが、花が美しいので、観賞用としての栽培が盛んになった。
根や根茎を乾燥して生薬にするが、その外面は紫褐色か灰褐色、質は軟らかくて折れにくく、特異の匂いがある。舐めると少々甘みがあり、あとで苦味を感じるようになる。
去痰作用のあるサポニン(シオンサポニン)を含む。
そのため咳止め、去痰に用いられる。1日量 3~10 gを水 300 ㏄で3分の1量に煎じ、3回に分けて服用する。
参考文献
- 副島顕子 1997 シオン, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 98₋99.
- 伊澤一男 1998 シオン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 743.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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根葉は群生し、有柄は長楕円形で 30 cmぐらいの長さがあり、へりは浅く鋸歯状に切れ込み、花時には枯れる。
茎葉は上にゆくほど無柄に近くなり、また広線形から線形となって互生し、全縁に近くなる。そして粗毛のためにざらつき、質はこわい。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 シオン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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茎はこわくて直上し、2 mに達するものがあり、粗毛のためざらつく。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 シオン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 根の形質
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主根は肥大し、分枝する。
細根がたくさんついていて、尾状を呈し、淡黄白色である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 シオン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 花の形質
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茎頂のほうに小枝が直線状に何本も散房状に斜上し、その先にたくさん集まってつき、1頭花の径は約 3 cmである。
まわりの舌状花は淡紫色、中央の管状花は鮮黄色である。
総苞は半球形、総苞片は披針形で先が鋭く短毛があり、へりは乾膜質、冠毛は白色である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 シオン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は有毛で、長さ約 3 mmである。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 シオン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日のよく当たる山間のやや湿った草地に生える。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 シオン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 58.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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秋10~11月に堀り上げ、細根をほぐすようにして土を洗い落とし、日干しにする。
参考文献
- 伊澤一男 1998 シオン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 743.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン