- 解説一覧
- アーティチョーク(Cynara scolymus)について

基本情報
- 草丈・樹高
-
1.5~2 m
参考文献
- 伊澤一男 1998 アーティチョーク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 699.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 原産地
-
地中海沿岸、カナリア諸島とされており、カルドンより生じたものとされている。
参考文献
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 和名の解説
-
英語の「artichoke」より由来している。
我が国ではアーティチョークと呼ばれ、『四訂日本食品標準成分表』(1982)にもこの名で出ている。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アーティチョーク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 699.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 別名・方言名
-
別名:チョウセンアザミ
参考文献
- 伊澤一男 1998 アーティチョーク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 699.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
-
キク科 アザミ属
参考文献
- バーバラ・サンティッチ/ジェフ・ブライアント 2012 アーティチョーク, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. 178.
- 伊澤一男 1998 アーティチョーク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 699.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
古くからギリシア人、ローマ人によって栽培されていた。中世にイタリア、スペインで改良が行われ、アメリカへはフランス人、スペイン人たちによってもたらされた。
現在ではヨーロッパ南部から中央部、カリフォルニアでの栽培が多い。
ラテン民族が好んで食べ、フランスでは冬期にはスペイン、アフリカ北部より輸入するため、1年を通じて店頭にある。
日本では江戸時代中期に栽培された記録があるが普及せず、現在でも栽培は極めて少ない。
我が国にも6月頃に主としてフランスまた北米から輸入されるが、房総半島や三浦半島の暖地にわずかに栽培されている。
アーティチョークはカルドン(Cynara cardunculus)から改良されたとされる。
食用、薬用に蕾のときの総苞片を用いるため、開花直後に採取する。総苞片をばらばらにとるのではなく、頭花の下の花茎から1つの頭花ごととる。
小さくて未熟な蕾は丸ごと食べられる。しかし、通常はもう少し育ってから収穫され、葉が硬くなってから、根元の多肉質の部分だけを食用にする。
この硬くなった葉を取り除き、チョークと呼ばれる食べられない葉の密生した芯を切り取れば、柔らかく肥厚した基部が出てくる。
アーティチョークは丸ごとゆでて、熱々でまたは温かいうちに、溶かしバターやビネグレットソースを添えて出し、葉の根元を浸して食べる。
小さく未熟なアーティチョークは油で炒めてから煮る。素揚げ、茹でるなどしてから、ビネグレットソースに漬け、冷やして出す。
葉とチョークを取り除いたアーティチョークは、さまざまに調理できる。
特にイタリア人はアーティチョークを好む。イタリアの食前酒のナチールは苦く、アーティチョークがベースとなっている。
【薬効と用い方】
利尿薬や強壮薬として用いられる。
総苞片を1枚ずつとり日干しにする。残りの総花床の部分もナイフで刻み、日干しにしてよく乾燥したものを1リットル容量の広口びんに半量ほど入れ、グラニュー糖 100 gと35度のホワイトリカーを瓶いっぱいに入れて、2ヵ月漬ける。1回量 20~40 ㏄を食前か食後に飲む。
参考文献
- バーバラ・サンティッチ/ジェフ・ブライアント 2012 アーティチョーク, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. 178.
- 伊澤一男 1998 アーティチョーク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 699.
- 大場秀章 1997 アーティチョーク, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 26₋27.
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
-
葉は羽状に深裂しており、裏には白い細毛が密生するが、アザミのような刺を欠き、これを持つカルドンと区別される。
参考文献
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 根の形質
-
根は太く長い。
参考文献
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 花の形質
-
大型の径 10~15 cmの紫色の頭花を開く。
鱗状の総苞片は厚肉質で、花冠は淡紫色で筒状の小花をつける。花床は肉質である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アーティチョーク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 699.
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 種子の形質
-
種子はかたく、長さ 6~7 mmの卵形をしている。
参考文献
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
-
生育適温は18℃で、8℃以下になると育たないが、耐寒性はかなり強くて、-2~-1℃まで耐える。しかし、寒冷地では藁で巻くなどの防寒を施す必要がある。
高温には比較的弱くて夏には生育を停止する場合が多く、また花蕾が開きやすくなり、そうなると可食部分がかたくなる。
種子増殖を行うと親とは異なった種々の形質が現れ、花が小形になったり、苞が開いたりする。これは栽培品種が遺伝的に固定化されていないのが原因である。
従って、増殖にはもっぱら株本から発生する吸枝が用いられている。この株分けは酷暑期を避け、9月頃に行う。
4~5個の葉を展開して高さ 30~40 cmになった吸枝を根をつけた状態で親株から取り外す。あるいは親株を掘り上げて、吸枝を含むように株本で縦に切り分ける。
このようにして得られた苗を 2~2.5 m幅の畝に株間 1~1.5 m、深さ 15~20 cmで定植する。
花蕾の収穫は花蕾の径が 10 cmくらいになり、鱗状の総苞がまだ固く閉じている時期に茎を 3~5 cm程度つけて行う。
家庭で栽培している場合は、径 4~5 cmの若い花蕾を収穫すると花蕾全体を食べることができる。
花蕾の生産量は定植3年後に最大となり、その後低下するので4年目くらいに古株を更新する。
軟白新芽をつくる場合は花蕾収穫後、地上部 30 cmを残して切り返しを行い、藁などに包んで縛って遮光する。
参考文献
- 大城閑 1994 アーティチョーク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 99₋100.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン