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キササゲ(Catalpa ovata)の分類 Bignoniaceae
キササゲ(Catalpa ovata)の概要 Catalpa

キササゲ(Catalpa ovata)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Catalpa ovata G. Don

基本情報

草丈・樹高

普通 6~9 mぐらいになるが、12 mに及ぶものもある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

花期

6~7月

参考文献

  • 難波恒雄 1994 C. ovata, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

原産地

中国の中南部

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:雷の木

参考文献

  • 伊澤一男 1998 キササゲ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 643.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ノウゼンカズラ科 キササゲ属

参考文献

  • 伊澤一男 1998 キササゲ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 643.
  • 難波恒雄 1994 C. ovata, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

人間との関係

キササゲはかなり古い時代に中国から入ったもので、栽培もされるが、今では山地の河川のへりなどに広く野生化しているものも多い。

春から夏にかけて、キリの葉に似た大きな葉が茂り、真夏の太陽を遮って日陰をつくってくれるため、街路樹に植えているところもある。岩手県の盛岡市はその一例である。

『万葉集』の6巻及び10巻に読まれた山部赤人の歌の中の「ひさぎ」がキササゲだとする説をとれば、日本に入ったのは8世紀以前ということになるが、確かではない。

『大和本草』(1709)には「梓、アツサ、一名カハラヒサキ」として、キササゲに間違いなく、江戸時代の初期には既に栽培されていたことがわかる。

キササゲの木を庭の隅に植えると、その家には雷が落ちないという迷信がある。

生薬名もキササゲであり、樹皮は解熱、駆虫、黄疸に用いられる。

【成分】
果実のサヤの部分には、無機質のカリウム塩が25%含まれ、これが利尿の作用をする。そのほか、クエン酸、パラオキシアンソッコウ酸などを含む。

【薬効と用い方】
・利尿薬として水腫やむくみに用いる
乾燥した果実 10 gを1日量として煎じ、3回に分けて服用する。

このキササゲは利尿薬として優れており、しかも副作用が全くない。病院で調剤する薬の中にも含まれている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 キササゲ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 643.
  • 難波恒雄 1994 C. ovata, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 632.
  • 清水建美 1997 キササゲ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 147-148.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉身は対生する長柄につき、広卵形~円形で、普通3裂し裂片の先は尖り、全縁である。

長さは 10~25 cmで、脈は掌状、質はやや厚く軟毛が生えている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.
  • 清水建美 1997 キササゲ, 八尋洲東(編) 植物の世界2,種子植物 双子葉類2. 朝日新聞社. 147-148.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

幹の径は 70 cmになる。樹皮は灰褐色で縦に裂け目がある。

参考文献

  • 難波恒雄 1994 C. ovata, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

花の形質

枝先に円錐状に集まってつき、漏斗状で、先は唇状に5裂し、白色で暗紫色の斑点がある。雄しべ4本、そのうち2本は長い。

花冠は淡黄色で紫色の斑点がつく。がくは無毛で2深裂する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.
  • 難波恒雄 1994 C. ovata, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

果実の形質

果実は10月頃熟し、茶褐色となり、30~40 cmぐらいの細長いササゲ状で、樹上に何本も垂れ下がる。

冬も残っていて、完熟すると縦に割れ、種子が散る。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

種子の形質

種子は扁平で、両端に糸状の 1 cm近い白毛がたくさん生えている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

生態

生育環境

日のあたる河川に沿って土手・疎林のへりなどに野生化し、しばしば群生する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 キササゲ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 632.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

その他生態

秋には、大きな葉をすっかり落としてしまうが、いつまでも細長い果実をつけているため、遠くから見てもすぐキササゲであることがわかる。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 キササゲ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 643.

最終更新日:2020-06-09 ハリリセンボン

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