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シクラメン(Cyclamen persicum)の分類 Primulaceae
シクラメン(Cyclamen persicum)の概要 Cyclamen

シクラメン(Cyclamen persicum)

【 学名 】
Cyclamen persicum Miller

基本情報

花期

冬から春に咲く。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

原産地

ギリシアからトルコ、キプロス島、レバノンにいたる東地中海沿岸の原産である。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

別名・方言名

篝火のように見える花形から、牧野富太郎により命名されたカガリビバナという和名もある。

ほか、ブタノマンジュウという別名もある。

参考文献

  • 中山昌明 1997 シクラメン, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 18₋19.
  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

分類学的位置付け

サクラソウ科 シクラメン属

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

人間との関係

もとはシリアからギリシャ原産のキクラメン・ペルシクム(Cyclamen persicum)1種のみを改良したもので、ヨーロッパで園芸種として発展してきた。

17世紀初期の園芸植物に関する出版物によると、キクラメン属のいくつかの種が、16世紀にはすでに地中海沿岸諸国からフランス、イギリス、オランダなどの国々に入っていたという。

当時は観賞用というより、むしろ薬草としての意味があったらしい。

ヨーロッパで最初に栽培された原種は、ヨーロッパ南部から小アジア西部に分布するキクラメン・ヘデリフォリウム(C. hederiforium)やヨーロッパ中・南部原産のキクラメン・プルプラスケンス(C. purpurascens)のような耐寒性のある種であったらしい。

現在の栽培シクラメンの代表であるキクラメン・ペルシクムは、マーチュ(R. Maatsch)が1955年に著した『シクラメン』によると、1620年ごろには既にフランスで栽培されていたという。

その後、本種が広く栽培されるようになったのは19世紀半ばからで、それにはフランス、イギリス、オランダ、ドイツでの栽培や改良が大きく貢献した。

シクラメンが日本に渡来したのは明治時代初期といわれているが、詳しい導入の経緯については明らかでない。

シクラメンの球茎にはポニン性配糖体のシクラミンを含み、実際にヨーロッパで下剤などに利用された。

シクラメンの薬効についてはほかにも、「頭の毛が抜けたらシクラメンの草を鼻に詰めよ」とか「妊婦が草の根をまたぐと流産する」、さらには「惚れ薬になる」など、さまざまな俗信が飛び交い、当時はかなり一般的に信じられていた。

参考文献

  • 中山昌明 1997 シクラメン, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 18₋19.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は一般に心臓形で、表面の斑紋は個体により著しい変異があり、葉縁には密な歯牙がある。

野生種の花冠裂片の長さは約 3 cmで、ねじれている。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

塊根は多少平たい球形で、表面はコルク質化する。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

根の形質

根は下部より発生する。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

花の形質

花色は濃桃色から白色と変異に富み、基部には紫色の斑が入る。

野生種にはスズランの香りがあるが、園芸品種の大部分は育種の過程でこの芳香が失われている。

受精した花柄はらせん状に巻かずに下方に曲がる。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

生態

その他生態

耐寒性は極めて弱い。

参考文献

  • 土橋豊 1994 シクラメン属, ペルシクム, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1112-1113.

最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン

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