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サクラソウ(Primula sieboldii)の分類 Primulaceae
サクラソウ(Primula sieboldii)の概要 Primula

サクラソウ(Primula sieboldii)

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Primula sieboldii E. Morren

基本情報

花期

4月~5月

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

分布

暖帯、温帯:北海道(南部)、本州、九州、朝鮮、満州、東シベリア。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

保全の取り組み

荒川流域の埼玉県浦和市田島ヶ原のサクラソウ群落は、特別天然記念物として保護されている。

参考文献

  • 鳥居恒夫 1997 サクラソウ, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 3₋7.
  • 山崎敬 1982 サクラソウ, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 22.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

和名の解説

サクラに似たその花の形から「桜草」という和名がつけられた。

参考文献

  • 鳥居恒夫 1997 サクラソウ, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 3₋7.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

分類学的位置付け

サクラソウ科

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

人間との関係

江戸時代から明治には荒川沿いにふつうにみられたので、野外に出かけてサクラソウ見物が行われ、園芸化もされて、現在でも500~700品種もの園芸品が栽培されている。欧米でも栽培する。

日本には約14種が自生するが、生育条件が厳しく自生地が限られており、消滅の危機にさらされている種が多い。

ほとんどが高原、高山の湿地に生える多年草である。花は美しく、小型で可憐ななものばかりなので、山野草として栽培され、サクラソウだけが園芸草花として育成された。

サクラソウは埼玉県の県花であり、また浦和市の市花でもある。

江戸時代には荒川に沿って下流の浮間ヶ原や戸田ノ原も群生地として有名で、春の野遊びの地であった。この地のサクラソウは、上流の高原から種子などが流れてきてできた、二次的な自生とされる。

晩秋に堆肥や燃料として原野の下刈りが行われたところに群生地ができていたが、この作業が行われなくなってから、多くの自生地が衰退し消滅した。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.
  • 鳥居恒夫 1997 サクラソウ, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 3₋7.
  • 山崎敬 1982 サクラソウ, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 22.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は長い柄があり、葉身は長さ 4~10 cm、幅 3~6 cm、縁には浅い不揃いな2種の重牙歯があり、若いときは多くのしわがある。

長卵形または卵状長楕円形で、基部は心形である。

苞は披針形をしている。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.
  • 山崎敬 1982 サクラソウ, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 22.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

根茎は太く短い。全体に白色の縮れた毛が生える。

花茎は高さ 15~40 cmとなり、繖形に3~20個の花をつける。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

花の形質

小花柄は長さ 5~15 cm、果時には 2~3.5 cmに達し、がくは長さ 5~12 ㎜で5中裂する。

花柄は花期に長さ 0.5~1.5 cm、裂片は披針形をしている。

花冠は径 2~3 cm、筒部は長さ 1~1.3 cmである。花冠はふつう紅紫色で花喉部は白く、深く5裂する。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.
  • 山崎敬 1982 サクラソウ, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 22.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

果実の形質

蒴果は円錐状扁平形で長さ約 5 ㎜である。がく片より短く、裂開せず、子房下部とがく片との接点から離れ、種子を散らす。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1957 サクラソウ, 北村四郎、村田源、堀勝(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅰ・合弁花類. 保育者. 232₋233.
  • 山崎敬 1982 サクラソウ, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 22.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

生態

生育環境

山麓や川岸、野原の湿地に生える。

参考文献

  • 山崎敬 1982 サクラソウ, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 22.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

その他生態

サクラソウは春の生育時には十分な日光に当たり、夏の休眠期は草や木の陰になるのがよい。

参考文献

  • 鳥居恒夫 1997 サクラソウ, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 3₋7.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

種・分類一覧