オシロイバナ(Mirabilis jalapa)の解説トップに戻る
オシロイバナ(Mirabilis jalapa)の分類 Nyctaginaceae
オシロイバナ(Mirabilis jalapa)の概要 Mirabilis

オシロイバナ(Mirabilis jalapa)

【 学名 】
Mirabilis jalapa L.

基本情報

草丈・樹高

高さ 1 m以上になる。

参考文献

  • 山田卓三 1992 オシロイバナ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 154.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

生活形

日本の大部分の地域では一年草だが、沖縄や伊豆七島など、暖かい地方では多年草として生育している。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

花期

8月の終わりから初秋にかけて咲く。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

原産地

熱帯アメリカ

参考文献

  • 山田卓三 1992 オシロイバナ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 154.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

和名の解説

和名「御白粉花」は、胚乳が白い粉で、おしろいに似ていることによる。漢名は紫茉莉である。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:ユウゲショウ
夕方から咲くことに由来している。

方言名:オケショウバナ、オシロイ、ケショウバナ、メシタキバナ、ヨメシバナ

参考文献

  • 山田卓三 1992 オシロイバナ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 154.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

分類学的位置付け

オシロイバナ科

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

人間との関係

日本には江戸時代に渡来し、観賞用に栽培されたが、暖地でしばしば野生化している。

1694年、貝原益軒の『花譜』やその他の古書にも記録があり、渡来が古いことがわかる。『大和本草』、『和漢三才図会』など古い書物にもみられる。

漢名紫茉莉、胭脂粉花、別名紫茉莉(むらさきのまり)、夕錦(ゆうにしき)、夕化粧(ゆうげしょう)、御化粧花(おけしょうばな)などの名がある。

「星あひの空よりおつる宵あかりに咲きひろがれるおしろい花(白井大翼)」と「白粉は朝はみながらしぼみをり黒き粒実に露たまり見ゆ(土田耕平)」の2首には、オシロイバナの生態が味わい深く詠まれている。

ほかにも、明治の頃は庭園に栽培されていたらしく、尾崎紅葉の「金色夜叉」にもミズヒキ、クズ、カヤ(ススキ)などとともに紫茉莉が書かれている。

オシロイバナは姿が粗大で、庶民的ではあるが、香りのよい色とりどりの花を夜に咲かせるので、かつては軒先などにしばしば植えられていた。家々の軒先に床机(しょうぎ)が出され、人々が夕涼みをしていた頃のことである。

ケセランパセランはオシロイを食べるというので一時話題となった。中沢信午博士はこれを調べ、ウサギの毛など動物性のものとキク科の冠毛など植物性のものとあることがわかった。

【成分】
アミノ酸のアラニン、グリシン、ルイシン、トリプトファン、バリン、ステロイドのベータ・シトステロールなどを含む。

【薬効と用い方】
・利尿に用いる
乾燥した根 5~15 gを水 600 ㏄で煎じ、これを朝晩2回に分け、食前に飲む。飲むたびに温めること。飲みやすいが、強い利尿作用があるため、寝る直前の飲用は避ける。

・ニキビ、吹き出物で用いる
つける前に手と顔を洗っておき、胚乳を水で濡らした指先につけて、ニキビや吹き出物の上につける。1日数回繰り返すとよい。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.
  • 籾山泰一 1982 オシロイバナ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 28.
  • 山田卓三 1992 オシロイバナ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 154.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は対生し柄があり、広い三角状卵円形で、鋭尖頭、基部は断ち切ったような形をしている。長さは 5~10 cmである。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.
  • 籾山泰一 1982 オシロイバナ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 28.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は太く、節は膨らんでいる。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

果実の形質

花が落ちたあと緑色の果実ができ、果実はやがて黒くなり落下する。果実の中には白い胚乳が詰まっている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.
  • 籾山泰一 1982 オシロイバナ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 28.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

生態

生育環境

海岸や線路わきなどに生える。

参考文献

  • 山田卓三 1992 オシロイバナ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 154.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

その他生態

ほかの花の花粉で受粉ができない場合、自家受粉する仕組みを持っている。咲いたばかりの花は雄しべが花の外に伸び出ているが、花の終わり頃になると引っ込めて、雌しべが巻き込んで自家受粉する。

またオシロイバナは一つの株でも花でも、白、黄、赤などいろいろな色の花を咲き分ける。これは花の形成時に体細胞が突然変異を起こしたものである。このような変化しやすい遺伝子を易変遺伝子という。このようなものは、アサガオやサツキの花でもみられる。

参考文献

  • 山田卓三 1992 オシロイバナ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 154.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

関連情報

栽培方法

【採取時期と調整法】
根(塊根)を花が咲いている時期に採取し流水で洗い、天日で干す。よく熟した果実の皮を爪でむくと、中から茶色の皮に包まれた胚乳が出てくる。

果実が熟したころにまとめて採取し、乾燥材を入れた茶筒などに保存しておくと便利である。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オシロイバナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 84.

最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン

種・分類一覧