- 解説一覧
- オオケタデ(Persicaria orientalis)について

基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 2 mぐらいになる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 和名の解説
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大形のタデであり、茎、葉の裏に短毛を密生することから大毛蓼(オオケタデ)の名前ができた。
参考文献
- 伊澤一男 1998 オオケタデ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 63.
- 国重正昭・千葉徳彌・土屋和三・村田源・横井政人 1994 オオケタデ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1372.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ハブテコブラ(マムシの解毒薬)
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 人間との関係
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中国でもかなり古い時代にこの草が入っていたらしく、『名医別録』の中品に葒草(こうそう)の名で取り上げている。このことを受けて、江戸時代の本草書には、羗草がオオケタデであることを指摘している。そして、この葉はマムシの毒を消すが、これと同じ効力のあるものが、ポルトガルから入ってきて、それをポルトガル語でハブテコブラと呼んだため、オオケタデの別名となったと記している。
日本では江戸時代より庭先で観賞用に栽培され、人家周辺に逸出することもある。
『本草綱目啓蒙』(1803)に、「春時種を下す、ひとたび植えれば種子落ちて年々自生す」とあるように、繁殖は極めて旺盛である。今日では野生化の状態になっている。
『名医別録』には、種子の効能として、「婦人の尿道の病気を治して熱をとり、視力を強めて、気分を好転させる」ことや、くびにできたおできに種子を粉末にして、食後に2銭(7.5 g)を1日3回酒で服用すると、数日間でその傷口はよくなることを記してある。また、葉については、『名医別録』やその他の本草書に、おできを葉を煮た汁で洗うと治るとしている。
【成分】
いまのところはまだ分かっていない。
【薬効と用い方】
・化膿性のはれものに用いる
乾燥した種子を粉末にして、1日 6 gを2~3回に水で服用する。また乾燥した葉1枚分を水 400 ㏄で煮立て、その汁で洗う。
・毒虫に刺されたときに用いる
生の葉を水洗いして、揉んで青汁をとり、これを患部にすり込む。
参考文献
- 伊澤一男 1998 オオケタデ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 63.
- 国重正昭・千葉徳彌・土屋和三・村田源・横井政人 1994 オオケタデ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1372.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉身は互生する長柄につき、卵~卵状心形で先は尖り、毛は多いが柔らかで全縁、葉鞘は筒状で、へりはしばしば下部のものは葉状に広がる。
葉は長さ 15~30 cm、幅 10~20 cmである。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
- 国重正昭・千葉徳彌・土屋和三・村田源・横井政人 1994 オオケタデ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1372.
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- 茎(幹)の形質
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茎は直上し、枝を盛んに出す。毛があり、切断しても根を出す。下部の直径は 4 cmである。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
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- 花の形質
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茎頂や分枝の先に長穂状に傾いてつき、淡紅色でごく細かい。紅色の濃いものをアカバナオオケタデという。
がくは5(深)裂、花弁はなく、雄しべ8、花柱2、子房は楕円形である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
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- 果実の形質
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果実は宿存がくに包まれ、扁円形で中央はややくぼみ、つやはない。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 種子の形質
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種子は扁円形で黒色、艶がある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日のよくあたる湿性地にかなり野生化している。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オオケタデ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 149.
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