- 解説一覧
- クマヤナギ(Berchemia racemosa)について

基本情報
- 分布
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北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 クマヤナギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 418.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 和名の解説
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クマヤナギの和名は熊柳であるが、これはつるが強いことから熊とし、さらに、若葉のことを柳に例えたものであろう。
熊柳藤(クマヤナギトウ)は和製漢名である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 クマヤナギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 418.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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【園芸品種】
・[Variegata]
葉に白斑が入る。
参考文献
- 横井政人 1994 クマヤナギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 727.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:クマフジ、クロガネカズラ、イボタヤナギ、コマノツメ、トウヅラ、トンヅラ
参考文献
- 伊澤一男 1998 クマヤナギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 418.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 人間との関係
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古くはつるを馬に用いる鞭にしたり、雪国でカンジキの材料にした。
『本草図譜』(1816)に、佐渡では紅熟した果実を子どもが生食し、春先の若い葉は茹でて、浸し物にすると出ている。
盆栽や鉢物として栽培する。
日本での古文献には、民間薬としての利用はほとんど見られない。第二次大戦中で医薬品が不足していた頃、茎葉を乾燥したもの(1日量約 10 g)を煎じて、苦味健胃薬に用いたことがあるが、その後はあまり利用されていない。
中国名多花鈎児茶(学名ベルケミア・フロリブンダ)は中国に広く分布し、日本のクマヤナギに似ているため、別名に熊柳の漢字を当てている。(『中葯大辞典・下冊』1978)。
【成分】
まだわかっていない。
【薬効と用い方】(中国)
・解熱、利尿、解毒、リウマチの腰痛に用いる
1日量 6~12 gを水 400 ㏄で3分の1量に煎じて、3回に分服する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 クマヤナギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 418.
- 横井政人 1994 クマヤナギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 727.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉身は互生する柄につき、卵~卵状楕円形で先は短く尖り、長さ 5~6 cmになる。
支脈は整然と斜に平行し、滑らかで全縁、葉柄基部の内側には葉に付着するような姿勢で、葉前性の托葉がある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 クマヤナギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 96.
- 横井政人 1994 クマヤナギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 727.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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幹はねじれ、太いものは径 数 cmに及び、はじめ緑色で盛んに枝をだし、周囲のものにからみ繁る。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 クマヤナギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 96.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 花の形質
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普通、小枝の先に円錐状につき、白色で細かく、長さ 15 cmくらいになる。がく片5、雄しべ5、雌しべ1。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 クマヤナギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 96.
- 横井政人 1994 クマヤナギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 727.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実はアズキ粒ぐらいで楕円形、緑から赤、そして紫黒色に熟し、甘味がある。中にコムギ粒に似た核が1つある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 クマヤナギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 96.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン
生態
関連情報
- その他
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クマヤナギ属の同じ仲間のヨコグラノキ、ヒメクマヤナギなどは、日本南部に自生し、中国にも分布している。
参考文献
- 伊澤一男 1998 クマヤナギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 418.
最終更新日:2020-06-23 ハリリセンボン