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ナツメ(Ziziphus jujuba)の分類 Rhamnaceae
ナツメ(Ziziphus jujuba)の概要 Ziziphus

ナツメ(Ziziphus jujuba)

【 学名 】
Ziziphus jujuba Miller

基本情報

草丈・樹高

・樹高:10 mに達する

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最終更新日:2020-05-15 キノボリトカゲ

生活形

・広葉樹、落葉低木

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花期

初夏

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分布

ヨーロッパ、中国。日本には万葉時代に中国より渡来した。現在日本での栽培は庭木として植栽されている程度である。

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原産地

ヨーロッパ南部、アジア西南部

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学名の解説

種小名 Jujube はアラビア語の zizuf(ナツメ)による。

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和名の解説

夏芽の意味。初夏に入って芽を出すため。

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亜種・変種・品種

品種は300以上もあり、脆棗、牙棗などが有名で、種子なし品種もある。

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別名・方言名

タイソウ(大棗)

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分類学的位置付け

クロウメモドキ科 ナツメ属

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人間との関係

材は硬く、車軸や印材となる。木版印刷の版木の材料ともなり、「棗本」とはその書物を指す。

日本には野生種がなく、中国から古く渡来したが、果樹としては発展しなかった。

十分紅熟した果実を日に乾かしたものを大棗と呼び、大棗にはサポニン、トリテルペノイド、ベンジンアルコール配糖体、有機酸類を含み、漢方では強壮、鎮痛、利尿薬とする。

また種子は酸棗仁とよばれ、脂肪油、トリテルペノイド、サポニンを含む。

鎮静安定、催眠作用があり、他の生薬と配合して、心因性・神経性の不眠症、健忘症、口渇、循環器系疾患、虚弱体質者の多汗、便秘にも使われる。

大棗を浸した薬用酒は冷え症、不眠症、病後の回復などに効く。生食のほか、乾菓や砂糖漬にして干した蜜棗とし、料理や菓子にも用いる。

中国は品種も多く、食べ方もさまざま。乾果を白湯に加えて飲むほか、ナツメをあんにした春餅などがある。

中国では古来冠婚や正月などに欠かせない重要な果樹の一つ。

古くに日本に渡来し『延喜式』には信濃、丹後、因旛、美作、備前、阿波からホシナツメを貢進したことが記されている。

茶道の薄茶器の一種を棗という。形状がこの実に似ていることから。

ナツメの木は、「詩経」や「周礼」にその栽培の記録を残し、6世紀の総合農書「斉民要術」に栽培法、果実の利用法が詳説されるように、桃、スモモ、梅などと並んで、中国における主要な果樹の一つであった。

ところで、中国の古代社会においてナツメの実は、婦人が舅姑に目通りする際に、棒や栗とともに持参する礼物の一つとして欠かせないもので、これは舅姑に対する婦人の敬虔の意を示すものと理解されている(「礼記」)。

また神仙伝説の世界では、ナツメの実は異果としてイメージされ、神々との交歓、共食の宴に象徴的に登場する。

たとえば、漢の武帝が西王母と会見する宴席に準備されたのは、ブドウ酒とともに玉門のナツメであった(「漢武帝内伝」)。

「樹高百尋、実長二尺、百年一熟」というナツメ樹が聖樹として想像されたように、生命の木の実と観念されたのであろうか。

なお「楓天棗地」とは占卜の道具を指すが、落雷によって裂けたナツメ樹を占いの星盤に用いれば、神霊と通じ、最も神意をうかがえるという。

季題は「秋」。「日照雨に濡るゝつぶらの棗かな 里風」「新しき箕して乾したる棗かな 鬼城」などの句がある。

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形態

葉の形質

葉は互生し、長楕円形、卵状皮針形、3本の主脈がある。縁は細いきょ歯がある。葉えきのとげは退化して痕跡状をしている。

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茎(幹)の形質

幹にはまばらな棘がある。

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花の形質

花は黄色で小型、葉えきに数個、短集散花序をなしてつく。

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果実の形質

果実は核果で球形または長円形、熟果は赤褐色または黒褐色、甘味がある。核は細長く両端がとがる。

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似ている種 (間違えやすい種)

サネブトナツメ

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関連情報

栽培方法

樹勢は強く、乾燥に強い。

繫殖は主として株分け、根ざしによるが、実生によることもある。

放任的でとくに集約的な栽培は行われていない。

アルカリ性土壌に耐え、乾燥にも強くよく育つが、下枝が枯れあがりやすく、また結果が隔年ごとになりやすいのでせん定が必要。

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