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ヤマナシ(Pyrus pyrifolia)の分類 バラ科(Rosaceae)
ヤマナシ(Pyrus pyrifolia)の概要 Pyrus

ヤマナシ(Pyrus pyrifolia)

【 学名 】
Pyrus pyrifolia (Burm. fil.) Nakai

基本情報

草丈・樹高

・樹高:10m

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最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ

生活形


・広葉樹、落葉高木

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花期

4月

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分布

宮城県と山形県を結ぶ線以南。

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学名の解説

属名Pyrusはラテン語のPyrus、ナシの木より。種小名pyrifoliaはナシのような葉の、意味。

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和名の解説

①ナカシロ(中白)の略。
②風があると実らないことから「風ナシ」に由来。
③ナス(中酸)の意味。
④奈子の字音。
⑤ネシロミ(性白実)に由来。
⑥アマシ(甘)に由来。

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別名・方言名

ナシノキ、アリノミ(有りの実。ナシが「無し」に通じることを忌み嫌って反対語をつけたもの。平安末期から始まった)

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分類学的位置付け

バラ科ナシ属

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花言葉

慰め、安楽

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人間との関係

果実は熟したものを生食にするほか、果肉を砂糖と煮詰めジャムを缶詰に加工することもある。これに対してチュウゴクナシやセイヨウナシはともに収穫してから1週間以上追熟して食べるが、料理素材として利用することも多い。
材は堅く均質で、床柱、敷居のほか、算盤玉、数珠、薪炭材に使われる。
乾燥葉は薬用とされ、浴湯料として用いると肌荒れ、あせもに効く。扁桃炎には煎汁でうがいをするとよい。
わが国におけるナシの栽培の歴史は古く、『日本書記』持統天皇7年(693)の詔に、クワ、クリなどとともにナシの栽培が奨励され、また、『延喜式』には甲斐国から青梨を宮廷に貢進したことが記されている。
二ホンナシは野生のヤマナシを幾世代にもわたって改良したもの。江戸時代に栽培が増え、品種と産地とも多数現れる。果皮色によって赤梨系、青梨系に分けられる。赤梨は「長十郎」、青梨は「二十世紀」が有名。
ナシは「無し」に通ずるため屋敷内に植えるのを避けることがあり、また妊婦は腹が冷えるとされてナシを食べるのを禁じるところも多い。
ナシの花は漢詩の世界で多く題材とされた。白居易の『長恨歌』では楊貴妃の姿を形容して「梨花一枝春帯雨」とうたわれている。
ヨーロッパでは有史以前の遺跡から炭化した種子が発見されている。キリスト教が普及する前はゲルマン人が神聖な木として崇拝していた。ドイツには女児の誕生時にナシの木を植える風習があった。
ナシの花を図案化した紋所に、梨の切口葵、丸に梨の切り口、梨の花、三盛梨の花などがある。
二十世紀ナシは鳥取県の県花。

ナシを食べると疳の虫がわくといい、ナシを食べる夢を見ても悪いとされる。ナシの木の下を通ってもいけないという地方もある。またナシの芯を食べると背が伸びぬとか、はれものができるなどという。実際に芯は硬くて酸いものだが、うっかり食べないように「梨は昼間食え、桃は夜食え」ということわざもあり、一説には、これはナシにつく虫を食わないためという。
ナシは日本では俗信のうえで嫌われることが多いが、韓国では、その白く甘い果肉とサクサクという歯ごたえのよさから、食物として珍重されている。
またナシは歯痛のまじないによく用いられる。歯痛のときに初ナシを神に供えたり川に流すほか、ナシを3年間断って神に祈願する風もある。このほか麻疹除けのまじないや咳止め、解熱の薬としても使われる。また、ナシの花や実が多い年は大風、大水になると各地でいい、相馬市ではナシの花の返り咲きは変事の兆しという。

季題は「春」梨の花。「秋」梨。「梨むくや甘き雫の匁を垂るゝ 子規」「玻璃皿の梨蒼くなり瓦斯ともる かな女」などの句がある。

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形態

葉の形質

葉は倒卵形、先端がとがる。縁はきょ歯状。

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茎(幹)の形質

枝は紫黒色。

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花の形質

花弁5、白色、1芽に5~10個つく。

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果実の形質

果実は扁円形、果色は黄褐色または黄緑色、多汁。石細胞を含むが、その多少は品種により差がある。甘味適当、香気を欠く。

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生態

生育環境

春から夏にかけて、気温が高く雨量が比較的少ない気候を好む。排水良好で、かつ地下水の高くないところを適地とする。

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その他生態

樹の仕立て方は一般に棚作りとする。結果習性は、今年出た枝のうち充実した枝の頂芽およびえき芽に花序をつけ、翌年開花結実する。ナシは自家不稔性が強いので授粉樹の混植を要し、人工授粉、摘果、袋かけをする。近年、無袋栽培がおこなわれるようになってきた。施肥は元肥を中心とし、新梢の伸長の止まった頃、少量のチッソを施す。

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関連情報

病害虫

黒星病

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種・分類一覧