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セイヨウリンゴ(Malus pumila)の分類 バラ科(Rosaceae)
セイヨウリンゴ(Malus pumila)の概要 Malus

セイヨウリンゴ(Malus pumila)

【 学名 】
Malus pumila Mill.

基本情報

草丈・樹高

2.5~3 m

参考文献

最終更新日:2021-04-09 ハリリセンボン

生活形

落葉高木

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花期

春の終わりに白い5弁花を咲かせて結実する。

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原産地

コーカサス地方(ヨーロッパ東南部)

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分類学的位置付け

バラ科 リンゴ属

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花言葉

【果実】「誘惑(英)」「不従順(仏)」「優先権(仏)」
【花】「後悔(仏)」

リンゴの果実が「誘惑」(英)、「不従順」(仏)の意味になっているのは、イヴがヘビの言葉に誘惑されて禁断の果実を食べたことに関係がある。

フランスではその果実に「優先権」という寓意画あるのも、もとは同じであるが、イギリスではリンゴは花が美しいだけでなく、それが立派な、有益な果実の先触れである点に「優先権」があるともいっている。

そのほか花に「後悔」(仏)という意味がある。禁断の果実を食べたイヴの後悔を指す。「名声が彼を偉大かつ善良な人物にした」(英)というのはニュートンのことらしい。

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人間との関係

栽培の歴史は古く、紀元前に始まったと考えられているが、当時はクラブアップルのように小さかったと考えられ、その後、イギリスやヨーロッパ中北部で改良された。アメリカ大陸へは移民とともに導入され、やがて現地の気候や風土に合う品種が誕生した。

日本には、鎌倉時代以前は中国から渡来したと考えられるワリンゴ(ジリンゴ, Malus asiatica Nakai)が利用されていた。現在の栽培につながる品種は、明治時代初期に欧米から導入されたものがもとになっている。

1950年代までは国光と紅玉を中心にして、祝、旭、印度、スターキング・デリシャス、ゴールデン・デリシャスなどの導入品種の栽培が中心であった。その後、1962年に農林水産省果樹試験場でふじ、1975年に青森県りんご試験場でつがるが育成され、これらの栽培がしだいに増加した。

食味と貯蔵性がともに優れるふじは、選抜家庭では着色や外観に難点があるといわれていたが、登録後栽培は全世界に広がり、2000年代に入って世界一の栽培面積を誇るに至った。

【効能・有効成分】
食物繊維やビタミンC、ミネラル、カリウムが比較的多い。整腸作用や血糖値の正常化、血圧降下、消炎作用などがあるとされている。最近注目されているリンゴポリフェノールには脂肪の蓄積を抑制する働きがあるとも言われている。

【食用以外の利用】
クラブアップルのクラブ(crab)は、野生を意味し、一般に小粒で甘みは少なく、酸味が強く、渋みや苦みを伴うことも多い。欧米では各家庭の庭先にクラブアップルを植えていることが多く、ジャムやゼリーなどに加工、保存されて利用されている。花が純白、白〜淡いピンク、ピンク、赤〜赤紫と多様で、果皮だけでなく果肉まで赤〜赤紫のものもあり、鑑賞樹としての利用も盛んである。

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関連情報

栽培方法

【栽培のポイント】
多くの品種は1本では実ををつけないため、2品種以上を混植する必要がある。開花期が合うもので、しかも相性が良い品種を選ぶようにする。'アルプス乙女'や'クラブアップル'などの小さな実がなる品種を、受粉樹用にコンテナ栽培するのもおすすめ。なお'陸奥'は他の品種の受粉樹には向かない。'陸奥’には'紅玉'を受粉樹にするとよい。

【植え付け】(11~3月)
日当たりがよく、西日が当たらず、乾燥しない場所で植える。元々は寒冷地域のほうが栽培に向いているが、暖地栽培にも適した品種を選べば、九州地方まで栽培可能である。沖縄地方は適していない。
夏の暑さで樹が弱ることがあるので、西日が当たる場所も避けて植え、病害虫対策もしっかりとするようにする。

【整枝剪定】(1~3月(冬期剪定)、6月(夏期剪定))
枝が柔らかいので誘引して樹形を作りやすい。主枝を3~4本伸ばして仕立てるとよい。変形主幹形のほか、垣根仕立てやU字形仕立てにしてもよい。 冬の剪定では、徒長枝や内向枝、平行枝を整理して、樹形を整える。短果枝を出させるために、残す枝の先端を切り戻して作業を終える。

【開花・受粉】(4月中旬~5月中旬)
人工授粉を行うと確実。別の品種の花を摘み、雌しべに花粉をつける。開花期が合わない場合は、雄しべの花粉を保存しておき、受粉に使うとよい。
12~1月に元肥として有機質配合肥料を与える。3月に元肥として化成肥料を、6月に追肥として化成肥料を与える。

【摘果・袋掛け】(5~7月)
1箇所から複数の花が咲き、最初に咲いた花が一番良い果実になる。摘果は2-3回に分けて行う。最終的に1つの花房に1果を残す。 摘果が終わったら、袋をかけて病害虫を予防すると良い。甘さは袋をかけないほうが強くなる。

【収穫】(9月~11月中旬)
熟して色づいたものから収穫する。手で持つと簡単に取れるくらいになったら収穫どきである。

【日照条件・栽培適地】(日向)
約10℃で発芽し、枝葉と果実の生育適温は18~20℃前後と、寒冷な気候を好む。

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病害虫

【病気】奇形果病、さび果病、モザイク病、青かび病、赤衣病、赤星病、うどんこ病、疫病、褐斑病、銀葉病、黒星病、黒点病、すす斑病、すす点病、高接病、炭そ病、灰星病、胴枯病、斑点落葉病、腐らん病、輪紋病、モニリア病、紋羽病

【害虫】リンゴネコブセンチュウ、ハダニ類、ツノアオカメムシ、ナシグンバイ、アブラゼミ、イシダヒメヨコバイ、リンゴワタムシ、アブラムシ類、コクコナカイガラムシ、オオワタコナカイガラムシ、モミジノワタカイガラムシ、タマカタカイガラムシ、ナシマルカイガラムシ、リンゴカキカイガラムシ、ボクトウガ、ハマキムシ類、ミノガ類、ギンモンハモグリガ、キンモンホソガ、リンゴスガ、シンクイムシ類、シャクトリムシ類、マイマイガ、ケムシ類、アメリカシロヒトリ、シマガラス、キリガ類、コガネムシ類、カミキリムシ類、カシルリチョッキリ、モモチョッキリゾウムシ、リンゴアナアキゾウムシ、キクイムシ類

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味や食感

生食のほか、ジュースや焼き菓子、ジャム、サラダなど幅広く用いられている。お酒にもなり、シードルやカルバドスなどはその一種である。

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種・分類一覧