- 解説一覧
- オトギリソウ(Hypericum erectum)について

オトギリソウ(Hypericum erectum)
- 【 学名 】
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Hypericum erectum C. P. Thunberg ex A. Murray
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 30~50 cm
参考文献
- 山田卓三 1992 オトギリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 306₋307.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 分布
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北海道、本州、四国、九州に自生し、中国、朝鮮半島に分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 オトギリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 205.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 和名の解説
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『和漢三才図会』に、「花山院の時代に晴頼という鷹匠がいて…鷹が傷つくと薬草を用いてこれを治した。人々がその名を問うても、秘密にして口外しなかったが、ある日実弟がこの秘密をもらしたのを知って、大いに怒り、弟を切ったという物語から名付けた」と記されている。
また葉にある点々は、そのとき飛び散った弟の血の跡であると伝えられている。
参考文献
- 伊澤一男 1998 オトギリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 205.
- 山田卓三 1992 オトギリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 306₋307.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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方言名:オトギリス、オウギリス、オトキリソウ、タカノキズクスリ、ボンバナ、ムシグスリ、ヤマセンブリ
参考文献
- 山田卓三 1992 オトギリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 306₋307.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 人間との関係
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古くから民間薬として搾汁を創傷、打撲傷に用い、また風呂に入れたり、湿布薬にしたりしていた。
西洋ではオトギリソウの仲間は「聖ヨハネの草」と呼ばれ、根に赤い斑点があるのは8月27日に首をはねられたヨハネの血であるとし、この草を聖ヨハネ祭の前夜に摘んで、室内につるしておくと、魔除けになるといって用いる。
食用にするには7月~9月頃、地上部を刈り取って洗い、1~2日の間、日光で乾燥してから容器に入る長さに刻み、2~3倍量のジン、ホワイトリカーなどに漬ける。3~5ヵ月で赤みがかった淡い黄色に仕上がる。爽やかな辛味がある。
【成分】
タンニンを含む。
またオトギリソウに似た植物で、わが国に帰化し野生化しているヨーロッパ原産のセイヨウオトギリソウについて近年の研究によると、ルチン、クエルチトリン、クエルセチン、ヘペリジン、へペロサイドなどを含んでいることが分かった。
【薬効と用い方】
・止血、はれものに用いる
乾燥した全草 10~20 gを水で煎じて、その汁を患部に塗る。
・月経不順、鎮痛に用いる
乾燥した全草 2~4 gを1回量とし、水 300 ㏄で半量にして服用する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 オトギリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 205.
- 山田卓三 1992 オトギリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 306₋307.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は対生し、両方の葉はもとの方で接近して茎を抱き、披針形で先は丸味を帯びる。
全縁で、透かしてみると油点が点在し、晩夏~秋になると赤褐色を帯びる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オトギリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 44.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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茎は円柱状で 30~60 cmぐらいになり、上の方で分枝する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オトギリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 44.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 花の形質
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分枝の頂にいくつも小花柄でつき黄色である。1日花でしかも日没にはしぼむ。がく片5、花弁5、花柱3である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オトギリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 44.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は卵形で3室からなり、なかに細かい種子がある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オトギリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 44.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日のあたる丘陵山野の草地に生える。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 オトギリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 44.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン