- 解説一覧
- ヒナゲシ(Papaver rhoeas)について

基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 30~80 cm
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 原産地
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ヨーロッパ南部
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:虞美人草
中国の項羽の愛姫・虞美人にちなむともいわれる。
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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ケシ科
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヒナゲシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 211₋212.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 人間との関係
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虞美人草の名でも知られるが、虞美人の物語の舞台になった中国生まれではなく、唐時代に西洋から入ったものである。
貝原益軒は『大和本草』(1708)で「いまわが国で俗に美人草と言う、けしに似て小さく、花色に紅、白、紫の三種があって紅夷(西洋)より来る」と記しており、観賞用として栽培されていたらしく、栽培法まで述べている。今では野生化したものを見かけるようにまでなった。
アヘンの原料になるケシは、一般には栽培禁止になっているが、このヒナゲシは自由に栽培可能である。
【成分】
アルカロイドのロエアゲニン、ロエアジンを含む。また、花弁中にはメコチアニンという色素を含む。
【薬効と用い方】
・咳止めに用いられる。
乾燥花 2~4 gを1日量として、水 300 ㏄で2分の1量になるまで煎じ、砂糖少量を加える。これを1日2~3回に分けて、温かいうちに服用する。服用の都度温めて用いること。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヒナゲシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 211₋212.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は羽状に深く切れ込み、頂片は側片より大きい。
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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茎は高さ 30~80 cmで分枝する。
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 花の形質
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細長い花茎の先に、下向きに卵形の蕾をつけ、花は一転して上向きに咲く。花は直径 5~7 cm、花弁は赤紅色でしわしわで、基部に黒い斑があることが多い。
外側の2枚は内側の2枚より幅が広い。栽培品種の花色は、白、桃、紅などで、雄しべは黒紫色を帯びる。
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は長さ 1~2 cmの倒卵形の蒴果で、幅は長さと同じくらいで無毛である。
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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南フランスや西アジアに自生し、小麦畑などによく繁殖、雑草化している。また道端や荒れ地にも見られる。
参考文献
- 大場達之 1997 ヒナゲシ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 218-220.
- 伊澤一男 1998 ヒナゲシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 211₋212.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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栽培品種が多数あって、花色の変化が多いが、栽培法はみな同じで、移植がきかないことが特徴である。
10月上旬に種子を蒔くが、早く蒔くと10日ほどで発芽した苗が大きくなりすぎて、冬越しのとき、霜害を受けてしまう。移植が難しいため、初めから定位置に種子をまき、発芽してから適当なときに間引いて、間隔をあける。1 ㎡あたり油粕 150 gを元肥えとして施しておくとよい。
種子は細かいため、川砂か木灰に混合してまき、土はかけないでよい。
【採取時期と調整法】
開花時の5月に、開いたらなるべく早く、花の下につづく花柄とともに採取し、日干しにする。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヒナゲシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 211₋212.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン