- 解説一覧
- キタミフクジュソウ(Adonis amurensis)について

目次
基本情報
- 和名の解説
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江戸時代には、元旦に花があるというので、元日草と呼び、フクズク草とも呼んだ。
別名を福寿草と言っていたが、現在では江戸時代の別名フクジュソウを正名とするようになった。
開花期が長いことから長寿にあやかろうと人気があった。
江戸時代から正月の祝儀の花としてめでたいときに用いられ、黄金色の花から黄金を連想するなど、すべて幸福につながる花というところから、長寿と幸福を組み合わせて、福寿草の名になったといわれている。
参考文献
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ガンジツソウ(元日草)
方言名:クサマンサク、マグサク、マゴサク、フクジンソウ、チヂマンチャク、ツチマンザク、ユキワリソウ
参考文献
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 人間との関係
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フクジュソウが正月の花として関心をもたれるようになったのは、徳川家光治世(1622~50)の頃といわれている。
天下太平の世の中、次第に園芸熱が高まり、熱心な愛好家の手によって多くの品種が作出された。
めでたいフクジュソウにも、福寿草を屋敷内には植えるな(秋田)、家の周りに作っておくと家が絶える(群馬県)などの言い伝えがある。
全草に有毒成分が含まれる。特に地下の根と根茎に毒成分が多く、強心配糖体のシマリンを含んでいる。
また強心作用のないアドニリドという物質も含まれている。ほかにも利尿作用がある。
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最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉身は互生する長柄につき、3回羽状裂し、小裂片は卵~長卵形で羽深裂、深裂片は線状披針形で先は尖る。
葉柄のもとには小葉片が対生、茎の根元の葉は大型鱗片状の鞘となる。
参考文献
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 花の形質
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新葉の伸びきらぬうちに、茎頂に1個つき、大きい株では分枝頂にそれぞれつき、鮮黄色でつやがあり、日を受けて正開する。
花径は 3~4 cm、がく片は暗紫緑色を帯び数個つく。花弁は20~30枚で、がく片より長く、日中開き、夕刻にはつぼむ習性がある。
雄しべ多数、雌しべ多数、子房は短小、花柱はやや長く、柱頭はわずかに広がる。
参考文献
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
生態
- その他生態
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正月の鉢植えのフクジュソウは地面に接して花だけ咲きだしているが、野生の状態のものは茎も葉も長く伸長した状態で咲いている。
園芸品種も多く、花色が黄色のもの、白色のもの、紅色のもの、しぼり咲きのもの、花のつくりや形の異なるものなど100品種異状が記録されているが、現在保存されているものは半数以下である。
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最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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江戸時代には既に栽培されており、栽培法も記されている。
培養土は肥土に砂を混ぜてふるいにかけたものを用い、肥料は茶がらを干して粉末にしたものを混ぜ与える。そして株分けは2月末より3月まで、あるいは8月末から9月までに行うとある。
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最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン