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イカリソウ(Epimedium grandiflorum)の分類 Berberidaceae
イカリソウ(Epimedium grandiflorum)の概要 Epimedium

イカリソウ(Epimedium grandiflorum)

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Epimedium grandiflorum Morr.

基本情報

草丈・樹高

高さ 30~50 cm

参考文献

  • 鈴木和雄 1997 イカリソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 308-309.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花期

4~5月

参考文献

  • 伊澤一男 1998 イカリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 162.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分布

関東地方・奥羽地方太平洋側・近畿及び中部地方中南部・四国に分布する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

和名の解説

4~5月頃に咲く紅紫色の花が、錨に似ていることからこの名がつけられた。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 イカリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 162.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:サンシクヨウソウ(三枝九葉草)、いんようかく(淫羊蕾)、かりがねそう(雁金草)、くもくりそう(雲春草)、ほうぢゃそう(放杖草)

方言名:マラタケリソウ

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.
  • 山田卓三 1992 イカリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 322.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分類学的位置付け

メギ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

人間との関係

【成分】
昭和初期、わが国の学者がイカリソウの茎葉からフラボノール配糖体のイカリインという物質を取り出し、動物実験の結果、これを与えた雄動物の精液が増量することがわかり、科学的な裏付けがなされた。

イカリインは茎の地上部に含まれているが、茎の地下部にはアルカロイドのマグノフロリンが含まれている。

【薬効と用い方】
強壮、強精に用いられる。淫羊藿 100 g(細かく刻んだもの)、グラニュー糖 100 g、ホワイトリカー 1.8 ℓを合わせて広口びんに入れ、密閉後2~4ヵ月ぐらいしてから搾って、1回量 20 ㏄ぐらいを1日2回に服用する。

このイカリソウ酒は仙霊脾酒とも呼ばれている。また1日量 8~10 gを煎じて服用してもよい。

【生薬名の由来】
淫羊藿は中国産のホザキノイカリソウなどにつけられた中国名であるが、日本産の各種も生薬名はこの名で呼んでいる。

古い中国の本草書により強壮強精薬として名高いが、李時珍の『本草綱目』(1590)には、「四川の北部に淫羊という動物がいて、1日に100回も交尾する。それは藿という草を食うからということだ。そこでこの草を淫羊藿と名付けた」とある。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 イカリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 162.
  • 山田卓三 1992 イカリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 322.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

形態

葉の形質

根葉は長柄の先につき、普通2回3出複葉で、小葉は長柄の先につき、卵形で先は尖る。

へりは刺毛状に細かく切れ込み、左右の形が不同、質はやや硬い。茎葉も、ほぼ同じで柄が短い。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

根茎は横にはい、凹凸に屈曲し、たくさんの髭根が出ている。茎は普通数本ぐらい根茎から伸び、15~25 cmぐらいになり、もとの方には鱗片がある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花の形質

茎頂に総状にまばらに数個小柄でつき、淡紫紅色で下向きに開く。4枚の花弁は、それぞれ先端にいくにつれて細くなったパイプ状で、その先が内側に曲がっている。

がく片8のうち、外側の4片は卵状披針形で早めに脱落し、内側の4片は大きくて卵状長楕円形で先が尖り、紅紫色で花弁状である。

花弁4、その拡大部は白色円形で、内側のがく片より短く距が長く(約 2 cm)四方につきだし、前方向に弓状に曲がる。

雄しべ4、葯は長形の弁で開き、後に葯の先のところに萎縮する。雌しべ1、花後、袋果を結び、種子でも繁殖する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.
  • 伊澤一男 1998 イカリソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 162.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

生態

生育環境

丘陵や低い山のすそなどの疎林下、明るい雑木林の林床などに群落をつくって生える。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イカリソウ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 247-248.
  • 鈴木和雄 1997 イカリソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 308-309.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

送粉様式

虫媒花。4枚の花弁の基部には長く突出した距があり、先端部に蜜を蓄えている。

トラマルハナバチの女王によって最もよく利用されており、トラマルハナバチはイカリソウの花粉媒介昆虫となっている。

参考文献

  • 鈴木和雄 1997 イカリソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 308-309.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

関連情報

栽培方法

早春に移植したり、株分けを行い、あまり直射日光の当たらない木陰など、半日陰にて栽培する。

参考文献

  • 山田卓三 1992 イカリソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 322.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

種・分類一覧