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- ゲッケイジュ(Laurus nobilis)について

ゲッケイジュ(Laurus nobilis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Laurus nobilis L.
基本情報
- 草丈・樹高
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約 12 mぐらいになる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ゲッケイジュ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 93.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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クスノキ科 ゲッケイジュ属
参考文献
- 後藤利幸 1994 ゲッケイジュ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 819.
- 伊沢凡人 1980 ゲッケイジュ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 93.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 人間との関係
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ギリシア時代から、勝者や英雄に対して、ゲッケイジュの枝葉でつくった環を頭に冠した習性があった。
日本に導入されたのは1906年(明治39)である。
庭木として鉢物として栽培され、葉や枝に芳香があるため、薬用、香辛料として利用される。
ヨーロッパでは極めてふつうに用いられる観賞樹で、スタンダード作りにしていることが多い。また大きなコンテナに植えているものもあり、オリーブより耐寒性があるため、かなり広く用いられる。
古代ギリシア、ローマでは、ゲッケイジュの小枝や葉を編んだといわゆる月桂冠を勝利、栄誉のしるしとして、凱旋将軍や大詩人に捧げた。ビューティア競技の優勝者にもこれを与えた。
この冠を大詩人に捧げたのは、その葉の常緑性が不朽の名声を象徴するだけでなく、葉のもつ麻酔性を詩的霊感と結びつけたことにもよるといわれる。
イギリスの文壇にはエリザベス朝以来、桂冠詩人(poet laureate)というものがあるが、今日桂冠詩人は首相から任命される公務員としての王室付き詩人で、国王の誕生日や国家的行事を祝って、国民感情を詩にうたうことを任務とする。
ギリシア神話ではゲッケイジュはアポロンに追いつめられた妖精ダフネ(Daphne)の化身で、アポロンはダフネを失ったことを悲しんで、この木を神木とした。俗にこの木には決して落雷しないとか、この木が枯れるのは社会的大事件の凶兆だという。
また、ローマ時代にはこの木の葉や実は万能薬とされ、病人が出た家の戸口にこの木の小枝を下げた。ここから若い医師が頭にこの木の実(bacca lauri)をのせる風習が生じ、大学の学士の称号を baccalaureate というのはこれに由来するという。
参考文献
- 後藤利幸 1994 ゲッケイジュ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 819.
- 加藤憲市 1994 ゲッケイジュ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 819.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉身は互生する短柄につき、長楕円形で先はとがり、表面は滑らかでつるつるしている。
緑は濃く、質はやや硬く革質で、へりは波打ち、もむと香りがする。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ゲッケイジュ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 93.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 花の形質
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葉腋にかたまって1~4個の集散花序につき、黄色で細かい。花被は4深裂、雄しべ8~14(12が普通)、花柱は短く柱頭は頭状である。
参考文献
- 後藤利幸 1994 ゲッケイジュ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 819.
- 伊沢凡人 1980 ゲッケイジュ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 93.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は秋に黒紫色に成熟し、楕円状球形をしている。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ゲッケイジュ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 93.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
生態
- その他生態
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排水のよい肥沃地で、日当たりのよい暖かい場所でよく生育する。庭木として刈込みにも耐えるが、日本ではカイガラムシの被害が多く、このため観賞樹としての利用は比較的少ない。
参考文献
- 後藤利幸 1994 ゲッケイジュ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 819.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン