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モウソウチク(Phyllostachys edulis)の分類 イネ科(Poaceae)
モウソウチク(Phyllostachys edulis)の概要 Phyllostachys

モウソウチク(Phyllostachys edulis)

【 学名 】
Phyllostachys edulis (Carrière) J.Houz.

基本情報

草丈・樹高

・樹高:25 m

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最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ

生活形

・特殊樹、タケ・ササ

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分布

日本中南部から中国大陸、日本の栽培の北限は北海道函館市松前町や函館市公園で、最低温度は-18℃である。

沖縄地方では暑すぎて生育不良。台湾では 800~1200 mの高地で栽培する。

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原産地

中国

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学名の解説

属名は「葉 phyllon」+「穂 stachys」で葉片のついた苞に包まれた花穂の形から。

種小名 heterocycla はタケの皮の粗毛があるための名。

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和名の解説

中国の故事にある、冬に母親のために筍を採った孟宗という孝行者にちなんだもの。

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別名・方言名

モウソウダケ、モウソウ

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分類学的位置付け

イネ科 マダケ属

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人間との関係

観賞用の代表種。おもに食用筍として栽培し、出筍前に施肥、覆土する。白色で大きく軟らかい筍を白子といい、アクが少なくて美味。

放任状態の黒色の堅い筍は黒子という。また庭園樹としたり竹垣、竹箒に用いる。工芸材料ともなる。


材は加工され、さまざまな工芸品となる。竹林は防災の役割も果たす。

モウソウチクは中国が原産とされ、わが国に古来から生えていた植物ではない。

中国では江南竹といわれ、我が国へは第21代薩摩藩主島津吉貴が琉球から取り寄せて、1736年(元文元)に島津別邸磯庭園へ移植したのが最初とされる。

孟宗の故事に由来するモウソウチクという名は、我が国に移植されてから名付けられたものといわれる。

竹林の美しさは、四季を通して日本の代表的な風景となっている。

日本への渡来は、1728年(京都、長岡京市)と1736年(鹿児島市郊外)の両説がある。

分布は中国大陸では最も広く、全竹林(330万ha)の70%を占め、台湾では中央部の高山地帯だけに見られる。

日本では北海道の函館付近を北限として全国に栽培されるが、栽培面積の広いのは九州である。

用途は広く、材は加工用に、たけのこは食用に、竹林は防災用の役割を果たす。

なお京都市近郊では、たけのこに板框をはめて四角竹として床柱などに利用する。

たけのこのつくり方には、年中さぐり掘り、電熱線利用の促成栽培、普通栽培がある。

たけのこにはタンパク質、脂肪、炭水化物が含まれるが、カロリーはそれぼど高くはない。

煮物として利用するほか、加工用として缶詰、乾燥たけのこがあり、需要が多い。

ごく若いたけのこはとってすぐに刺身にして食べる。また観賞用にも多く用いられ、次のような品種が知られている。

キンメイモウソウチク(金明孟宗竹)は稈も地下茎もともに、黄白色の地に緑色の大小さまざまな縦縞がある。

久留米では天然記念物となっている。キッコウチクは仏面竹または仏肚竹ともいい、稈の下方の節間が亀の甲のようにふくれている。

季題は「夏」。

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形態

葉の形質

披針毛の葉を多くつける。

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茎(幹)の形質

筍の一日の生長量は 1.2 mで、筍は粗毛で包まれる。節は60~70節がふつうで、大きいものほど節数が多い。

節は生長帯が不顕著で、タケの皮の付着点しか発達しない。このような節を1環節といい、日本では本種だけで、ほかの種は2環節という。

枝は 1.5 m、小枝が多く分枝し、節が高いので、竹箒、竹垣として最も美しい。

枝は1節から2本だし、この2本の枝に3000枚の小葉をつける。1本の稈には8~10万枚をつける。

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花の形質

花穂の周期は70年、花弁がなく、雄しべは3本。

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種子の形質

米粒大の種子。

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似ている種 (間違えやすい種)

オウゴンモウソウ

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生態

生育環境

冬の強風にあたらない所に栽培するタケ。

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その他生態

筍用、用材のほか、庭園樹として広く栽培する。竹は稈が緑色のときだけ美しい。

そのためには直射日光をあてないよう高い垣をめぐらすのが望ましい。

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