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アマドコロ(Polygonatum odoratum var. pluriflorum)の分類 Polygonatum
アマドコロ(Polygonatum odoratum var. pluriflorum)の概要 Polygonatum odoratum

アマドコロ(Polygonatum odoratum var. pluriflorum)

【 学名 】
Polygonatum odoratum var. pluriflorum (Miq.) Ohwi

基本情報

草丈・樹高

草丈 40~50 cm

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アマドコロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 755.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花期

4月~5月

参考文献

  • 山田卓三 1992 アマドコロ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 405₋406.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

和名の解説

アマドコロの名は根茎に甘みがあること、根茎がヤマノイモ科のトコロ(別名オニドコロ)に似ていることからつけられた。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アマドコロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 755.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

別名・方言名

方言名:アマラ、キツネノチョウチン、キツネノマクラ、イズイ、チョチンバナ、テンググサ、べべユリ、ヘンビユリ、ヤマトユリ

参考文献

  • 山田卓三 1992 アマドコロ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 405₋406.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ユリ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アマドコロ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 274.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

人間との関係

根茎は、トコロのような苦さはなく、少し甘味があって食べられる。

食用にする場合には、葉が枯れてから、根茎を掘り取り、ひげ根と土を洗い落とし天ぷらにする。一度煮こぼし、だし汁でゆっくり煮ふくめ、醤油とみりん、または味噌味で煮つけてもよい。

春早く、3~4月に地上にでてきてまるく巻いている頃の若芽を、土の白っぽいところから摘み取る。若芽は道端の日当たりのよいところでは赤褐色を帯びて短く、林の中では淡い緑色で長く伸び、葉を開き始めているものでも、柔らかくて食べられる。

生のまま揚げ物か、炒め物にする。塩を入れた熱湯で茹で、しばらく冷水にさらし、酢味噌和えなどにするのもよい。ほかにも花を集めてさっと熱湯をくぐらせ、二杯酢、三杯酢などで味わうこともできる。

【生薬名の由来】
『本草綱目』には「萎蕤」はヰスヰと訓み、その意味は、草木の葉が垂れている姿をいい、アマドコロはその根が長くひげが多く、冠に垂れている紐を束ねた飾りのように、厳かな趣があるから、という。

【成分】
粘液質は多種類のオドラタンやフルクタンを含む。

中国の『本草綱目』に「跌筋結肉、諸種の不足に主効がある。久しく服すれば顔面のこくかんを去り、顔色を良くして潤沢にし、身体を軽くし、老衰せぬ」と記されている。中風による足の筋肉の障害をよくし、長く服用すると黒い肌は白くつやが出て、長寿を保つということである。

【薬効と用い方】
・滋養、強壮に用いる
萎蕤1日量 5~10 gを煎じて服用する。またアマドコロ酒として萎蕤 100 g、グラニュー糖 100 gをホワイトリカー 720 ㏄に漬け、半年後に布でこして1回量 20 ㏄を飲むとよい。

・打撲傷に用いる
萎蕤の粉末を食酢で硬めに練り、患部に厚く貼る。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アマドコロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 755.
  • 山田卓三 1992 アマドコロ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 405₋406.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は互生し、やや長めの楕円状で、短柄または無柄、両面に細い縦縞がやや浮き出し、質は丈夫でやや厚い。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アマドコロ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 274.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

地下茎は太り円柱状で、横に伸び分枝する。細根があり、淡黄色で、結節部には枯死した茎の跡がある。

茎は年々伸びた地下茎の先から1本斜上し、普通 30~40 cm止まりで6本の稜があり、もとのほうはときに赤紫を帯びる。

花後、地下には来年のための根茎が横に伸び、所々に節がある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アマドコロ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 274.
  • 伊澤一男 1998 アマドコロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 755.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花の形質

互生する葉の付け根から、長さ 1.8 cmぐらいの筒状の花を1~2個、鈴を下げたように下向きにつき、淡緑白色である。

花の先端は6浅裂し緑白色をしている。最先端には白い短毛がある。雄しべ6、葯は内に向き、花柱は単一線形で、長さは子房のほぼ2倍である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アマドコロ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 274.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

果実の形質

液果は丸くて緑から暗緑、そして黒色と熟す。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アマドコロ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 274.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

・ナルコユリ
アマドコロは茎に盛り上がって角張った線が通っているのに対し、ナルコユリの茎葉円柱状で、花が1ヵ所から3~8個つり下がる。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アマドコロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 755.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

生態

生育環境

日本全土の低い山、山林原野や木陰、丘陵などに見られる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アマドコロ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 274.
  • 伊澤一男 1998 アマドコロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 755.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

種・分類一覧