- 解説一覧
- ハマオモト(Crinum asiaticum var. japonicum)について

ハマオモト(Crinum asiaticum var. japonicum)
- 【 学名 】
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Crinum asiaticum var. japonicum Baker
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ約 1 m
参考文献
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 分布
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関東南部以南、以西、紀伊半島、韓国の済州島
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 和名の解説
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和名のハマオモトは「浜万年青」と書き、常緑で帯状の葉がオモト(オモト属)に似ていることによる。
参考文献
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ハマユウ(浜木綿)
別名の由来については、本居宣長が『玉勝間』に「白く垂れる花の姿が木綿に似ているからであろう」と記している。木綿とはコウゾ(クワ科)の樹皮からとった白い繊維のことである。
参考文献
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 人間との関係
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柿本人麻呂が「み熊野浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも」と歌ったように、既に万葉時代にはこの名があった。
葉柄がの巻き付いた様子を「百重なす」と表現している。ほかに、「落窪物語」、「栄華物語」などにも現れている。
三重県には、ハマユウ(ハマオモト)に因む民話も残っている。
「昔、京都の道麿という公卿が主命で志摩の浜にハマユウを採りに来て、土地の娘小百合と恋におちた。ところが、小百合に思いを寄せる若者が道麿を殺し、海に沈めてしまった。それを知った小百合はその亡骸を探し、ハマユウの薫る丘に葬って、終生その墓を守った」というものである。
インドハマユウ(C. latifolium)はリウマチや耳の痛みを癒す成分を含むという。
参考文献
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
- 山田卓三 1992 ハマユウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 392.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は偽茎の上部から四方に開出、オモトに似て幅は広く、へりは膜質全縁である。
質は柔らかい肉質で、厚く、つるつるしていて、下のほうでは密に重なる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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白い多肉性の葉柄が円柱状に重なり(偽茎)、50 cmぐらいになり、その下に短い根茎がつく。
鱗茎にはアルカロイドが含まれる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
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- 花の形質
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葉間からのびた花茎の先に普通10数個の花を散形花序につける。純白で強く香る。
純白の花被片はねじれて外側に反り返り、蕾が開ききるのは夜中である。
包葉2はへら型、花被片6、雄しべ6の上部は紫色を帯び、花柱も同様である。子房は下位で淡緑色である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
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- 果実の形質
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果実はほぼ丸く3綾があり、径は 3~5 cmぐらいである。熟すとその重みで果序は倒れ、砂上に種子がこぼれる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
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- 種子の形質
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種子は不整の球状で約 8.5 g、直径 2~2.5 cmの大きな種子である。
この種子には胚乳がコルク化した層があり、海水に浮き、半年以上も波間に漂っていても発芽力を失わない。
外皮は灰白色海面質で、よく発芽する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
- 栗田子郎 1997 ハマオモト, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 57₋58.
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生態
- 生育環境
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暖地の海岸砂地、海辺に生息する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ハマオモト, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 198.
- 山田卓三 1992 ハマユウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 392.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- その他生態
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実が海流によって運ばれ、海岸に漂着して殖えると言われている。
参考文献
- 山田卓三 1992 ハマユウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 392.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン