- 解説一覧
- スズラン(Convallaria majalis)について

基本情報
- 分布
-
北海道・本州の長野、群馬県以北に自生している。しかし、一部、関西、九州の山地にも分布している。
分布域はさらに、朝鮮半島、中国内陸部、シベリアへと広がる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 スズラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 269-270.
- 伊澤一男 1998 スズラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 783.
- 河野昭一 1997 スズラン, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 118₋119.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 和名の解説
-
鈴に似た広鐘形の花になぞらえてつけられたと言われる。
参考文献
- 河野昭一 1997 スズラン, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 118₋119.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 別名・方言名
-
別名:キミカゲソウ、タニマノヒメユリ
参考文献
- 伊沢凡人 1980 スズラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 269-270.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
【有毒成分】
全草。特に根と根茎に毒成分が多い。全草に強心配糖体のコンバラトキシンが含まれ、これが有毒成分である。
ドイツスズランにも含まれて、毒草として知られている。
またコンバラトキシンにグルコースが結合したコンバロシドも、スズランの毒成分である。
これらの毒成分の作用はジギタリスに似ており、強心、利尿作用があり、コンバラトキシンはジギタリスよりさらに強い作用があるともいう。
コンバロシドは血液の凝固作用があり、この毒草を多量にとると、心不全の状態になって死亡する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 スズラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 783.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
-
根元には膜質さや状の葉があり、その間からやや幅の広い長楕円状の尋常葉が2~3枚でる。
尋常葉の先はとがり、下部は狭くなり、表側は濃緑色、裏側は淡緑色で白味を帯びる。葉には毛がない。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 スズラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 269-270.
- 伊澤一男 1998 スズラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 783.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
-
地下茎は細長くて横走し、たくさん髭根がでている。
細長い仮軸状の花茎は高さ 15~25 cm前後である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 スズラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 269-270.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 花の形質
-
膜質さや状の葉の間から、つまり尋常葉の外側に伸びた1本の茎の上部に総状につく。
径 1 cmほどの白色鐘状で香気が強い。
先は6裂し外側へ反り、雄しべ6、葯は長形、子房は卵円形3室、花柱は短い。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 スズラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 269-270.
- 伊澤一男 1998 スズラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 783.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
- 果実の形質
-
果実は径 6~8 mmの液果を結び、球形で赤く熟す。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 スズラン, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 269-270.
- 伊澤一男 1998 スズラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 783.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン
生態
関連情報
- その他
-
庭先に栽培されているのはヨーロッパ原産のドイツスズランが多い。多くの人にスズランとして知られている。
日本のものは花序が葉より低くて葯が黄色、ヨーロッパ種は花序が葉とほぼ同じ高さで、葯は淡緑色である。だが、ほとんど日本種との区別はできない。
また、北アメリカ東部のヴァージニア州、ウェストヴァージニア州からジョージア州、テネシー州東部のアパラチア山脈には、北アメリカ固有のコンウァラリア・マユスクラ(C. majuscula)が分布する。
アメリカスズランとでも呼ぶべきこの種は、丘陵部の比較的乾燥した、ツツジ科の常緑低木であるカルミア属の植物がまばらに生える茂みの中に点々と生育する。
茎の上部につく葉の葉柄と葉身との長さの比率や、雄しべの花糸と葯との長さの割合などの特徴が、日本のスズランとは異なっている。
参考文献
- 伊澤一男 1998 スズラン, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 783.
最終更新日:2020-05-22 ハリリセンボン