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ヒガンバナ(Lycoris radiata)の分類 Amaryllidaceae
ヒガンバナ(Lycoris radiata)の概要 Lycoris

ヒガンバナ(Lycoris radiata)

【 学名 】
Lycoris radiata (L'Hér.) Herb.

基本情報

花期

9月下旬

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ヒガンバナ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 87.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

分布

暖帯、温帯:本州、四国、九州、中国に分布する。

日本に分布するものは全て3倍体(2n=33)で、もっぱら鱗茎の分裂によって繁殖しているが、中国には3倍体(9月開花)とともに種子で繁殖できる2倍体(2n=22、8月開花)が分布している。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ヒガンバナ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 87.
  • 栗田子郎 1997 ヒガンバナ, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 55₋56.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

和名の解説

秋の彼岸の頃(9月下旬)に開花するのでこの名がある。

参考文献

  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

別名・方言名

マンジュシャゲ(曼殊沙華)、死人花、などと呼ばれる。

50以上の地方名がある。

参考文献

  • 栗田子郎 1997 ヒガンバナ, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 55₋56.
  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

人間との関係

江戸時代以降には多くの本草書や文学作品に書き記され、1000以上の里呼び名(方言名)をもつほど日本人の心をとらえ親しまれている花だが、『古事記』や『日本書記』に始まる古典に現れていない。

照葉樹林を生活の場とした縄文時代の人々が、大陸から持ち込んだ史前帰化植物という説、稲作に伴って伝来した救荒植物のひとつという説、海流に運ばれた漂着植物とする説など、さまざまな説が唱えられている。

鱗茎はいろいろなアルカロイドを含む有毒植物であるが、去痰、催吐薬とされる。

昔は飢餓のときすりつぶして数回水洗いして有毒成分を除き、デンプンをとって食用にした。

参考文献

  • 栗田子郎 1997 ヒガンバナ, 八尋洲東(編) 植物の世界10,種子植物 単子葉類2. 朝日新聞社. 55₋56.
  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は晩秋にでて、翌年4月には枯れる。

叢生し、線形、質厚く深緑色で光沢があり、長さ 30~60 cm、幅 7~8 mmである。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ヒガンバナ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 87.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

襲重鱗茎は広卵形、外皮は黒い。

花茎は高さ 30~50 cmである。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ヒガンバナ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 87.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

花の形質

花は朱赤色である。総苞片は数個、披針形膜質 2~4 cm、花は横向きに咲く。

花柄は長さ 11~12 mm、花被は長さ 4~5.5 cm、花筒は長さ 6~14 mm、花被裂片は狭倒披針形でひどく反り返る。

雄しべは6本、長さ 6~7 cm、花筒の口につき、著しく突出する。

花柱は長さ 8 cm、先は切形をしている。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源, 小山鉄夫 1964 ヒガンバナ, 北村四郎、村田源、小山鉄夫 (著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅲ・単子葉類. 保育者. 87.
  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

果実の形質

果実は不捻である。

参考文献

  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

種子の形質

種子はふつうできない。まれにできても発芽しないことが多い。

参考文献

  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

生態

生育環境

人家に近い田畑の縁、堤防、墓地などに群生している。

参考文献

  • 佐竹義輔 1982 ヒガンバナ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 54.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

種・分類一覧