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- ホオノキ(Magnolia obovata)について

ホオノキ(Magnolia obovata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Magnolia obovata Thunb.
目次
基本情報
- 和名の解説
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①ホオはホウ(包)の意味で、大きな葉に食物を盛ったため。
②長い冬を芽をつけたまま「ほほまった」状態で越すところから、つぼみのままでいる状態を形容する古語のほほむ(含む)がホオとして使われた。
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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ホオカシワノキ、ホオカシワ(ともに葉に食物を盛ったため)/ホノキ(青森、岩手、秋田、宮城)、キツネノカラカサ(宮城)、フ―(福島、新潟、群馬)、ミツナカシワ(三重)、サンバイ(広島)、カイバ(山口)、ホオバ(愛媛)、プシニ(アイヌ「矢筒の木」)
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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公園樹、庭園樹。
材は軟質で均一、辺材は灰白色から黄灰色、心材は暗灰緑色から暗緑褐色を示すが、個体によりかなり色の濃淡がある。気乾比重約 0.49 でやや軽軟。
細工がしやすく収縮や反りも少ないので、建築、器具、細工物、刀鞘、朴歯の下駄、製図板やピアノの鍵盤、精密機械の木部等に利用。
木炭も上質で、金銀の研磨に使う。樹皮は薬用などに用いる。
芳香があるので朴湯や朴葉味噌に用いる。
漢方では樹皮を乾燥させたものを厚朴と呼び(中国産と区別するため和原朴ともいう)、他の生薬と調合して、神経性胃炎、去痰、利尿などに用いる。
『万葉集』の巻に、ホオバノキがホホガシハとして2首詠まれている。
僧恵行が「わが背子が捧げて持てるほほがしはあたかも似るか青き蓋」と詠み、これに大伴家持が「すめろきの遠御代御代はい重き折り 酒飲みきといふぞこのほほがしは」とこたえたものである。後者から昔は酒器にも使ったことが伺われる。
江戸時代『東海道名所図会』の記載に、東海道の七不思議に天龍川の支流の源、京丸の山中に特殊な牡丹があり、開花は遠方より望まれ、落花は渓流に流れてくるとあるが、牧野博士の調査でこの京丸牡丹はホオノキと判明した。
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は大形で枝端に集まって開出し、互生で有柄。葉身は倒卵形または倒卵状長楕円形で先端はとがり、縁にはきょ歯はない。
長さ 20~40 ㎝、幅 10~25 ㎝、裏面は通常帯白色で細毛がある。
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最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ