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- ハシバミ(Corylus heterophylla)について

ハシバミ(Corylus heterophylla)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Corylus heterophylla Fisch. ex Trautv.
基本情報
- 人間との関係
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平安時代以前から果実は食用とされている。
近縁のセイヨウハシバミ(食用として栽培されているものを filbert という)の実がヘーゼルナッツ。
ハシバミは昔は食用ならびに油料として重要であった。
遠く神功皇后の頃、摂津住吉の遠里小野村でハシバミの実の油をつくり、神前で灯明などの神事の用に供したと伝えられる(大蔵永常『製油録』1836)。
ギリシア神話の幸運・富裕の神ヘルメスの杖はハシバミでできていたといわれ、ここから中世にはY字形に切った枝が鉱脈や水脈を発見する占いに使われた。
アイルランドではハシバミの実を暖炉の火で焼き、恋を占ったという。
種子(棒子)を中医方で、病後の回復、食欲不振に用いる。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は互生、有柄、広卵形から広卵円形、急鋭尖頭、基部浅心形、浅い欠刻のある不整細きょ歯があり、のちに無毛となる。
裏面に短毛があり、托葉は早落性、葉柄は 0.6~2 ㎝、側脈は明瞭。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ
- 花の形質
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雌雄同株。雄花序の蕾は秋に現れて越冬。
3月、葉に先立って開花し、雄花序は黄褐色。ひも状に下垂し、長さ 3~7 ㎝、径 0.4 ㎝、包鱗の中に1個ずつ雄花を付ける。
雄しべは8個。風媒。雌花序は小さく、小枝に上向きにつき無柄、開花時には柱頭だけが外に現れ、柱頭は2裂。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ
- 果実の形質
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果序は1~3個からなり、総包は葉状で深裂、頂部は6~9裂、背面の基部に粗毛があり、中の果実は包に隠れない。
果実は10月に熟し、球形で径 1.5~2 ㎝。
参考文献
最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ