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オオバヤシャブシ(Alnus sieboldiana)の分類 Betulaceae
オオバヤシャブシ(Alnus sieboldiana)の概要 Alnus

オオバヤシャブシ(Alnus sieboldiana)

情報不足種 (DD)

【IUCN】評価するだけの情報が不足している種

【 学名 】
Alnus sieboldiana Matsum.

基本情報

花期

3~4月

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

分布

本州の関東~紀伊半島にかけての太平洋沿岸地域に分布する。

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

学名の解説

種の形容語は、江戸時代に長崎の出島のオランダ商館に医師として来日し、日本の動植物などを研究したドイツ人のシーボルト(P. F. von Siebold, 1796~1866)の名にちなむ。

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

和名の解説

ヤシャブシは漢字で書けば、夜叉五倍子。

特に、果実の中にタンニンを多量に含むので、五倍子(ぶし)の名をつけ、また楕円形の果実を鬼神の顔に見立てて、夜叉と名付けた。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オオバヤシャブシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 31.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

分類学的位置付け

カバノキ科 ヤシャブシ亜属

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オオバヤシャブシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 31.
  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

人間との関係

根に根瘤があり、やせ地によく生育するので、砂防工事に植えられる。

果実はタンニン性染剤として漁網、釣り糸の染色に、また家具、特に桐ダンスの仕上げに、煎汁と砥の粉を媒染剤として用いている。

伊豆八丈島にはオオバヤシャブシが多く、この葉を牛の飼料にすると、牛の力が増すという。

【成分】
果実に収斂作用のあるタンニン25~27%を含む。

【薬効と用い方】
・やけど、凍傷に用いる
果実 15~25 gを水 500 ㏄で煮て、沸騰して2~3分後に火を止め、冷めかげんのときに、煎汁で軽く洗う。1日数回行うとよい。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オオバヤシャブシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 31.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉の側脈が平行して12~16対ある。葉は卵形~三角状卵形、長さ 6~10 cm、幅 3~6 cmで、鋭鋸歯縁。

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

花の形質

花序が側芽に生じることが多く、ふつう雌花序が単生する。雌花序は雄花序より上部の側芽に生じる。

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

果実の形質

果実は広い翼を有し、10~11月に熟す。

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

・ヤシャブシ
葉の長さが 6~12 cm、幅 3~6 cm、葉柄が 1~2 cm。ヤシャブシの葉より大きいので、この名がついたが、これに対しヤシャブシの葉は長さ 4~10 cm、幅 2~4 cm、葉柄は 7~12 ㎜で、かなり小さい。

またオオバヤシャブシの毬果は、マツ、スギ、カバノキ科などに見られる果実で、楕円形や球形をして、かたく木化した鱗片が重なってできているものである。オオバヤシャブシの場合は、楕円形の果実と考えればよい。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 オオバヤシャブシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 31.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

関連情報

栽培方法

増殖はおもに実生によるが、挿木(春)でも可能である。若木の移植は3~4月に行う。

発芽率は 1 ㎡あたり 30 g程度の播種で10~30%とよい方である。床替えは1~2年で行い、この苗を2~3年目で植え付ける。

参考文献

  • 中村恒雄 1994 オオバヤシャブシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典2. 小学館. 1885.

最終更新日:2020-06-16 ハリリセンボン

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