ルリシジミ(Celastrina argiolus)の解説トップに戻る
ルリシジミ(Celastrina argiolus)の分類 シジミチョウ科(Lycaenidae)
ルリシジミ(Celastrina argiolus)の概要 Celastrina

ルリシジミ(Celastrina argiolus)

【 学名 】
Celastrina argiolus (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

開長:22〜23mm
幼虫体長:約 13 mm (終齢)

参考文献

最終更新日:2020-06-01

活動時期

3〜10月

参考文献

最終更新日:2020-06-01

分布

北海道・本州・四国・九州。国外ではサハリン・朝鮮半島・台湾および中国〜ヨーロッパにかけてのユーラシア大陸北部に分布する。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

亜種

旧北区から新北区にかけて14亜種が知られ、ヨーロッパ産が名義タイプ亜種となる。日本産は亜種 ladonides (de l'Orza, 1869) で、C. argiolus の亜種とされるのが普通だが、argiolus とは別種と主張する学者もいる。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) シジミチョウ科 (Lycaenidae) シジミチョウ亜科 (Lycaeninae) ヒメシジミ族 (Polyommatini) ルリシジミ属 (Celastrina) ルリシジミ (Celastrina argiolus)

参考文献

最終更新日:2020-06-01

形態

成虫の形質

小型のチョウ。雄の翅表は青藍色で、前翅外縁の黒帯は狭く、後翅では細い線状の外縁線となる。雌の翅表は白青色で、外縁の黒帯は雄に比べて著しく広い。裏面の地色は春型では蒼灰色、夏型では灰白色で、黒斑が散らばる。性差はほとんどない。後翅第1b+c室の2黒斑が完全に分離することで同属の他種と区別できる (同属他種ではこの2黒斑が結合して「く」の字状になる) 。
雄の翅表の青藍色部の色調は季節によってやや異なり、春型では暗色を帯びて光沢が強く、夏型では明るくやや白色を帯びる。雌の外縁の黒帯の発達の程度も季節によって異なり、春型では弱く、夏型では強い。翅裏の黒斑の形とその強さには個体変異が著しい。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

幼体の形質

体色は淡緑色、紫紅色、乳黄色、白色など変化に富む。背線は濃色でやや太い。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

地理的変異

国内における顕著な地理的変異は知られていない。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

似ている種 (間違えやすい種)

スギタニルリシジミ・ヤクシマルリシジミ・サツマシジミ

参考文献

最終更新日:2020-06-01

生態

成虫の生息環境

平地〜山地の樹林やその周辺、農地、河川、公園など食草のある様々な環境で見られる。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

成虫の食性

フジ、クララ、ハギ類など各種の花を訪れて吸蜜するほか、雄は路上で吸水することが多い。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

幼虫の食性

幼虫は主としてフジ・ヤマフジ・クララ・ハリエンジュ・クズ・ハギ類・カラスノエンドウ・サイカチ・ヌスビトハギ・シロツメクサなど各種のマメ科植物の花蕾を食べるが、マメ科以外のミズキ科 (ミズキ・クマノミズキ) 、バラ科 (リンゴ・スモモ・ナナカマド・リンボクなど) 、ミツバウツギ科 (ミツバウツギ) 、ブナ科 (スダジイ・コナラ・クヌギ・ナラガシワ) 、ヒルガオ科 (ネナシカズラ) 、タデ科 (イタドリ・オオイタドリ・ヒメスイバ) など他科の花蕾も食草としている。花蕾を食べるため、季節的に食草を変える傾向が強い。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

ライフサイクル

暖地では年4〜6化、寒冷地では年2〜3化。春季最も早くから出現するチョウの一種で、暖地では第1化 (春型) は3月中・下旬より出現する。第2化は5月下旬〜6月上旬より出現し、以降引き続き発生を繰り返して秋季に及ぶが、暖地の平地から低山地では盛夏には個体数が少ない。幼虫は全4齢で、蛹で越冬する。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

活動時間帯

日中

参考文献

最終更新日:2020-06-01

生殖行動

交尾飛翔形式は雄が雌を連行するものが多いが、雌が雄を連行していた記録もある。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

特徴的な行動

成虫はヤマトシジミやツバメシジミと同じように地上低く草上を飛ぶ場合も見られるが、一般に樹上を飛ぶ習性が著しい。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

その他生態

中齢幼虫をクロオオアリが運搬したという報告がある。

参考文献

最終更新日:2020-06-01

種・分類一覧