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ベニシジミ(Lycaena phlaeas)の分類 シジミチョウ科(Lycaenidae)
ベニシジミ(Lycaena phlaeas)の概要 Lycaena

ベニシジミ(Lycaena phlaeas)

【 学名 】
Lycaena phlaeas (Linnaeus, 1761)

基本情報

大きさ・重さ

開長:27~35 mm (安田, 2010, p. 29)
幼虫体長:約 15 mm (終齢)(安田, 2010, p. 29)

参考文献

最終更新日:2020-05-09

活動時期

3月下旬〜11月(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 140)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

分布

本州・四国・九州・種子島・サハリン・朝鮮半島・中国東北部・ヨーロッパなど(白水, 2006, p. 134)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

亜種

世界におよそ20亜種が存在し、ヨーロッパ産のものが名義タイプ亜種となる。(白水, 2006, pp. 134-135)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

形態

成虫の形質

小型のチョウ。表は黒褐色、前翅では中央部が広く橙赤色となり黒斑を持つ。後翅では外縁に沿って橙赤色帯がある。裏では表の黒褐色の部分が灰白色となる。
雌雄では色彩・斑紋パターンは同様だが、明瞭に翅形が異なり、雄は前翅端が尖るが、雌では前翅外縁は丸みを帯びる。また、雌では腹部が太くなる。
季節的変異は顕著で、夏型では前翅表の色彩が暗化し、特に雄では一様、あるいはほとんど一様に黒褐色になる。後翅表亜外縁の橙赤斑も雌雄ともに春型に比べ目立って小型になる。晩秋に羽化するものは春型と等しい。
きわめて稀に翅の橙赤部が全て白色に置き換わる白化型が出現する。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

幼体の形質

凹凸は少なく、上から見ると伸びたワラジのような形をしている。色彩変異があり、全体が緑色のものから、緑色の地色に背線や側縁部が紅色のものまである。(安田, 2010, p. 29)

参考文献

最終更新日:2020-05-09

卵の形質

大きな六角網目状の隆起が特徴。(安田, 2010, p. 29)

参考文献

最終更新日:2020-05-09

地理的変異

国内における形態の地理的変異は知られていない。(白水, 2006, p. 135)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

似ている種 (間違えやすい種)

近似種はおらず他種との区別は容易。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 140)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

生態

成虫の生息環境

平地〜山地の草地環境に普通に見られる種で、路傍、原野、畑地、川岸の土手、堤などに多い。

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .
  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

成虫の食性

タンポポ、ヘビイチゴ、ヒメジョオンなど各種の草本の花を訪れ、吸蜜する。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 140)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

幼虫の食性

幼虫はスイバ・ヒメスイバ・ギシギシ・エゾノギシギシ・ノダイオウなどのタデ科植物を食草とする。(白水, 2006, pp. 134-135)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

ライフサイクル

日本西南部の暖地では年4〜5化で、第1化 (春型) は3〜4月より、第2化 (夏型) は5月下旬ごろより出現する。以下発生を繰り返して秋季に及ぶ。北海道では年2〜3化、飛騨山脈の高地帯では年1化である。幼虫は全4齢で、1〜3齢幼虫で越冬する。(白水, 2006, p. 134)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

活動時間帯

日中(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 140)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

生殖行動

交尾しながら飛翔する際は雄が雌を連行することが多いが、雌が雄を連行していた記録も存在する。(白水, 2006, p. 134)

参考文献

  • 2006 日本産蝶類標準図鑑 - 書籍全体, 白水隆(著) 日本産蝶類標準図鑑. 学習研究社. .

最終更新日:2020-05-09

特徴的な行動

成虫は日中、低い場所を活発に活動し、草上や地上によく静止する。(日本チョウ類保全協会, 2019, p. 140)

参考文献

  • 2019 フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ - 書籍全体, 日本チョウ類保全協会(編) フィールドガイド 増補改訂版 日本のチョウ. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-05-09

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