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ツマベニチョウ(Hebomoia glaucippe)の分類 Pieridae
ツマベニチョウ(Hebomoia glaucippe)の概要 Hebomoia

ツマベニチョウ(Hebomoia glaucippe)

【 学名 】
Hebomoia glaucippe (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

開長:85〜100 mm
幼虫体長:約 55 mm (終齢)

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最終更新日:2020-05-09

活動時期

3〜11月

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最終更新日:2020-05-09

分布

九州 (薩摩半島南部および大隅半島南部〜宮崎県日南海岸)・種子島・屋久島・奄美諸島・沖縄 (沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島)・トカラ列島。世界的には東洋熱帯に広く分布する。

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亜種

・九州南部亜種 H. g. shirozui (Kurosawa & Omoto, 1955)
…九州南端部〜屋久島に産する。雄の前翅第8室の橙赤条がないか、あるいは発達が弱い。また前翅前縁の湾曲が弱い。

・奄美亜種 H. g. liukiuensis (Fruhstorfer, 1898)
…奄美大島に産する。前翅前縁の湾曲が強く、雄の前翅第8室に橙赤条が出現する。

・沖縄亜種 H. g. conspergata (Fruhstorfer, 1907)
…沖縄本島に産する。奄美亜種と同様の特徴を持つ。

・八重山亜種 H. g. cincia (Fruhstorfer, 1910)
…八重山諸島に産する。雄の前翅第8室の橙赤条が強く出て、翅形が縦長になる。

亜種の分割については未だ議論の中途にあり、日本産が全てまとめて liukiuensis とされることもある。

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分類学的位置付け

昆虫綱 (Insecta) チョウ目 (Lepidoptera) シロチョウ科 (Pieridae) モンシロチョウ亜科 (Pierinae) ツマキチョウ族 (Anthocharidini) ツマベニチョウ属 (Hebomoia) ツマベニチョウ (Hebomoia glaucippe)

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最終更新日:2020-05-09

形態

成虫の形質

日本産シロチョウ科の最大種。雄の翅表は白色で、前翅先半部に黒色鱗で囲まれた鮮やかな橙赤色斑がある。雌では全体が灰色を帯び、暗色鱗を散布する。橙赤色斑は赤味が少なく、それを取り巻く黒縁、橙赤色斑中の各室の黒斑など、黒色部が強く発達する。後翅の外縁の黒色部および亜外縁の黒班列も顕著に発達する。翅裏には前翅頂部および後翅に褐色の雲状紋がある。
春型 (第1化) は夏型 (第2化) に比べて小型で、前翅端のとがりが強い個体も見られる。

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幼体の形質

幼虫は青虫で、腹部側面に鮮やかなオレンジのラインがあり、胸部には鮮青色とオレンジ色の眼状紋を持つ。

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生態

成虫の生息環境

主に平地〜低山地の照葉樹林や人家周辺の樹林地など。谷筋や渓流沿い、海岸部の森林でよく見られる。

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成虫の食性

ブッソウゲ・サンダンカ・ハイビスカス・ヒギリ・ルコウソウ・フジウツギ・アザミ類などを訪花して吸蜜する。雄は河原や海岸の砂地で吸水することもある。

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幼虫の食性

幼虫の食草はギョボク (フウチョウボク科) 。

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ライフサイクル

屋久島、大隅半島および薩摩半島の観察では4〜5月、6〜7月、9月、10〜11月に多く、これらの地域ではおそらく年4〜5化と推察される。幼虫は全5齢で、幼虫または蛹で越冬する。

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活動時間帯

日中

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産卵

卵は食草の新芽・若葉・成葉に1個ずつ産み付けられる。

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特徴的な行動

日中、樹冠部などの高所を敏速に飛翔するが、吸蜜のため低所に降りてくるものも多い。雄はチョウ道を作る。
幼虫は外敵が迫ると前半身を持ち上げ胸部を膨らませて威嚇する。

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種・分類一覧