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オニヤンマ(Anotogaster sieboldii)の分類 オニヤンマ科(Cordulegastridae)
オニヤンマ(Anotogaster sieboldii)の概要 Anotogaster

オニヤンマ(Anotogaster sieboldii)

【 学名 】
Anotogaster sieboldii Selys, 1854

基本情報

大きさ・重さ

雄 82~103 ㎜
雌 91~114 ㎜

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2012 オニヤンマ, 二橋亮、川島逸郎、尾園暁(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 290.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

6月下旬から9月上旬

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 290.

最終更新日:2020-11-28 瀬戸内味わいにぼし

分布

北海道から沖縄本島

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 290,291.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

生息状況

東京都区部においてNT(準絶滅危惧)

参考文献

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

和名の解説

厳しい顔つきと黒白の斑模様から虎の皮の褌を締めた鬼を連想して名付けられたものである。

参考文献

  • 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊 1988 オニヤンマ, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. 70.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

分類学的位置付け

DNAに地域間で変異が見られ、北海道から屋久島の個体群、奄美諸島個体群、沖縄島個体群の3つに大きく分かれる。
八重山諸島に生息する種は、従来オニヤンマに含められていたが、DNA解析の結果などから別種ヒロオビオニヤンマに含められることが報告された。

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 290,291.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

人間との関係

成虫、幼虫共に食用とされていた記録がある。
成虫は串刺しにして火であぶって焦げない程度に焼き、醤油をつけて食べていた。
幼虫は鍋に入れてよく煎り、少量の塩を振って焦がさないようによくかき混ぜ、水分がなくなりカラカラになったら食べる。
あるいは川の小魚、エビなどと混ぜて鍋に入れ、少量の水で煮て、沸騰したら醤油、砂糖を加えて強火で熱し、煮詰まったら火からおろして食べていた。
大型のトンボ類・ヤンマ類は特に種類の区別なく食べられていたようである。

参考文献

  • 三橋淳 2008 トンボ目, 三橋淳(著) 世界昆虫食大全. 八坂書房. 44.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

形態

成虫の形質

翅には横長の三角室がある。
複眼は、背面の一点で左右が接する。
後翅の基部は拡がり、雄でも内縁がえぐられることは無く、肛角は丸みがある。
縁紋は長いが、中央部で拡がらない。
雄雌とも黄色と黒の縞模様を持ち、性差はほとんどない。
複眼は成熟過程で灰褐色から緑色に変化する。
雌は極めて長い産卵弁を持つ。
奄美諸島と沖縄島の個体は、腹部の黄斑が腹面で広がる。

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 290.
  • 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊 1988 オニヤンマ, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. 70,71.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

幼体の形質

腹部の背中に二本の比較的はっきりした黒条と複雑な小褐色斑がある汚褐色をしている。
触角は細く7節。頭部は角張り、複眼が小さい。
側棘は第8・9節にある。
翅鞘はハの字に開く。

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 290.
  • 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊 1988 オニヤンマ, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. 70,71.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

生態

幼虫の生息環境

平地から山地に至る小川や湧水・湿地の滞水等きわめて広範な陸水域に生息し、かなり薄暗い林内の水たまりにも生息する。
比較的明暗の強い林縁部を好む性質が強い。
幼虫は水底の砂泥の中の落ち葉等植物沈積物の下、ミズゴケの間などに潜んで生活している。

参考文献

  • 川合禎次・谷田一三 2018 オニヤンマ, 川合禎次、谷田一三(著) 日本産水生昆虫 科・属・種への検索. 東海大学出版部. 208.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

孵化・脱皮・羽化

夜間に水際の植物や護岸壁などに定位して行い、しばしば数メートル以上離れたところまで移動して羽化することがある。

参考文献

  • 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊 1988 オニヤンマ, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. 70,71.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

生殖行動

産卵中の雌を見つけた雄は、その後方で数秒ホバリングしたのち掴みかかって連結し、樹上へ連れ去って交尾する。
交尾は2時間以上に及ぶ。

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 291.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

産卵

雌単独で行う。
水面上で体を立てて上下に反復運動を行い、長い産卵弁で繰り返し水底を突き刺しながら、砂泥中に放卵する。

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 291.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

特徴的な行動

成熟雄は夏の朝夕を中心に木陰の多い細流に沿って長距離を往復飛翔しながら雌を探す。
川沿いの林道などもよくパトロールする。
秋には日中、日向をよく飛ぶようになる。
未熟な成虫は羽化水域からやや離れた山の斜面などの開けた空間に集まる習性があり、数匹、数十匹が群がって高飛するのが観察される。

参考文献

  • 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2017 オニヤンマ, 尾園暁、川島逸郎、二橋亮(著) 日本のトンボ. 文一総合出版. 291.
  • 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊 1988 オニヤンマ, 石田昇三、石田勝義、小島圭三、杉村光俊(著) 日本産トンボ幼虫・成虫検索図説. 東海大学出版会. 70,71.

最終更新日:2020-05-04 瀬戸内味わいにぼし

種・分類一覧