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ニクバエ科(Sarcophagidae)の分類 昆虫綱(Insecta)
ニクバエ科(Sarcophagidae)の概要 ハエ目(Diptera)

ニクバエ科(Sarcophagidae)

【 学名 】
Sarcophagidae

基本情報

別名・流通名・方言名

胸背にしばしば3本の縦縞があるのでシマバエとも呼ばれる。

参考文献

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

人間との関係

センチニクバエなど便所から発生して環境衛生害虫とされるものもいる。また、刺身などの生鮮食品にうじを産み付け、それを気づかずに食べることで消化器ハエウジ症(ハエ幼虫症)を起こすこともある。

参考文献

  • 倉橋弘 1997 ニクバエ類, 日高敏明(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科9:昆虫Ⅱ. 平凡社. p. 157.

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

形態

成虫の形質

外側の肩後剛毛を欠くが、もしある場合は中央に寄り、横線前剛毛より上方(内側)に位置する。盾板の背側域は2本の背側剛毛のほかに2本の二次的な背側剛毛を生じるか、2本の背側剛毛のみを生じる。

M₁脈は翅縁より中室端に近い位置で、前方に屈曲する。体は金属光沢を欠き、中胸盾板にはしばしば3本の縦条を現し、腹部は通常は粉による市松模様、条、帯、斑点などを有する。

参考文献

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

生態

成虫の食性

多くのニクバエは肉や魚を口吻を伸ばして摂食する。

参考文献

  • 倉橋弘 1997 ニクバエ類, 日高敏明(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科9:昆虫Ⅱ. 平凡社. p. 157.

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

幼虫の食性

ニクバエ亜科では肉や魚。ヤドリニクバエ亜科やハチノスヤドリニクバエ亜科はハチの巣に労働寄生し、ヤチニクバエ亜科はセミなどに寄生する。

参考文献

  • 倉橋弘 1997 ニクバエ類, 日高敏明(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科9:昆虫Ⅱ. 平凡社. p. 157.

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

ライフサイクル

夏に繁殖して冬に蛹で越冬するものがほとんどである。羽化は暖かい地方では3~4月、本州の低地では4~5月に見られるが、寒い地方では5月以降に羽化が見られる。夏のあいだは数世代をくりかえすことが可能である。多化性のものでも高緯度地域では年1化となる。

参考文献

  • 倉橋弘 1997 ニクバエ類, 日高敏明(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科9:昆虫Ⅱ. 平凡社. p. 157.

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

産卵

メスはハート形の子宮の中で卵をふ化させ、直接幼虫を産み落とす。

参考文献

  • 倉橋弘 1997 ニクバエ類, 日高敏明(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科9:昆虫Ⅱ. 平凡社. p. 157.

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

関連情報

飼育方法

ニクバエ亜科のセンチニクバエやナミニクバエなどは成虫、幼虫ともに肉、レバー、人工飼料で容易に飼育でき、しかも 20~25℃で1週間ぐらいで成熟して蛹になり、10~16日ぐらいで成虫が羽化してくる。このように、発育期間が短いことと体が比較的大きいことから、実験動物として使われることも多い。

参考文献

  • 倉橋弘 1997 ニクバエ類, 日高敏明(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科9:昆虫Ⅱ. 平凡社. p. 157.

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

味や食感

香港や台湾の一部地域では窓ににぎりこぶしよりやや大きめの豚肉を吊るし、この肉片にニクバエを集め、群がってくる幼虫をたたいて落としてこれを食用としていた。非衛生的な方法なので現在台湾では食用禁止となっている。

参考文献

最終更新日:2020-08-12 ひろりこん

種・分類一覧