カワゲラ目(Plecoptera)の解説トップに戻る
カワゲラ目(Plecoptera)の分類 節足動物門(Arthropoda)
カワゲラ目(Plecoptera)の概要 昆虫綱(Insecta)

カワゲラ目(Plecoptera)

【 学名 】
Plecoptera

基本情報

大きさ・重さ

成虫体長:30〜40 mm

参考文献

最終更新日:2020-06-25

分布

小笠原諸島などの海洋島を除くほぼ日本全域・乾燥地域を除く世界各地

参考文献

最終更新日:2020-06-25

別名・流通名・方言名

幼虫は俗に「ざざ虫」と呼ばれる。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

分類学的位置付け

昆虫綱 カワゲラ目
世界では2000種以上、日本では約200種が知られているが、まだ未記載種が多く、実際に日本に生息している種数は350~400種であるとも推定されている。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

人間との関係

幼虫は「ざざ虫」と呼ばれ、長野県伊那市を中心に天竜川上流域でつくだ煮など食用にされてきたが、現在その食文化は消滅の危機に瀕している。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

形態

成虫の形質

体は細長くほぼ円筒形で、やや背腹に扁平である。触角は細長い鞭状で多数の節からなる。翅を背面に重ねて水平にたたむ。脚は細長く、前脚、中脚、後脚はほぼ同じ形である。体色は黒色、褐色、黄色、黄緑色などさまざま。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

幼体の形質

幼虫は成虫と形が似る。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

似ている種 (間違えやすい種)

成虫は一見するとシロアリの羽アリに似るが、翅脈と後翅の形が全く異なる。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

生態

成虫の生息環境

成虫は水辺の植生の中や礫の下にひそむ。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

幼虫の生息環境

幼虫は主に山地の渓流など汚染の少ない河川、まれに湖沼に住む。水生昆虫の中でも水質の有機汚濁に特に弱く、都市河川、平地の農業用水、池沼などにはほとんど生息しない。生息地では主に川底や湖底の礫の下や隙間、落ち葉の堆積や植物の根の間などから見つかる。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

成虫の食性

ヒロムネカワゲラ科、アミメカワゲラ科、カワゲラ科、ミドリカワゲラ科に属する種は口器が退化しているため、摂食行動を行わず、水などを飲むだけである。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

発音(鳴き声)

北半球のカワゲラ類では、ドラミングという発音行動によって同種の雌雄を探すことが知られている。これは、成虫が腹部を木の枝や草の茎に叩きつけて音を出すもので、種に特有のパターンを示す。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

ライフサイクル

不完全変態の昆虫で、生活史の長さは数ヶ月〜4年と種によってさまざまである。成虫の寿命は渓流から発生する昆虫の中では比較的長く、特に雌では1ヶ月以上生きることもある。しかし、ヒロムネカワゲラ科、アミメカワゲラ科、カワゲラ科、ミドリカワゲラ科に属する種は概して短命で、雄は数日しか生きないことが多い。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

孵化・脱皮・羽化

成熟した幼虫は、水から上がって水際の石の側面や植物の茎などに掴まって羽化する。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

特徴的な行動

成虫は水辺を飛行するのがしばしば観察されるが、ほかの一般的な昆虫と比べるとゆっくりと直線的に飛び、短距離しか飛ばないことが多い。暖かい季節に出現した成虫は灯火に集まる。
幼虫は礫などの間をはい回り、ほとんど泳ぐことはない。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

その他生態

冬から早春に羽化する種が多い。そのような種では成虫が雪上を歩くことが知られており、成虫でも無翅または短翅の物が多い。長翅の種でもほとんど、あるいはまったく飛ばない。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

関連情報

採集方法

飛び方が緩慢であるため、捕虫網を使わなくても素手で掴んで採集できることが多い。

参考文献

最終更新日:2020-06-25

種・分類一覧